インフルエンサーマーケティングのよくある失敗

インフルエンサーマーケティングのよくある失敗

インフルエンサーマーケティングは、正しく実施すれば大きな効果を発揮する一方、多くの企業が陥りがちな失敗パターンが存在します。

効果が出ないばかりか、ブランドイメージを損なうリスクも少なくありません。

この記事では、インフルエンサーマーケティングでよくある失敗を6つのカテゴリーに分け、具体的な事例とともに解説します。

そもそもインフルエンサーマーケティングとはどのような施策なのか、メリットやデメリットを整理した記事もあります。詳しくはインフルエンサーマーケティングとは?メリット・デメリットを紹介をご覧ください。

目次

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よくある失敗①インフルエンサー選定の失敗

インフルエンサーマーケティングの成否を大きく左右するのが、誰を起用するかという「インフルエンサー選定」です。

ここでは、フォロワー数だけを見てしまう、ターゲット層が合っていないなど、選定段階で起こりがちな失敗を解説します。

適切なインフルエンサーを見極めるための重要な視点を学びましょう。

フォロワー数だけで選んでしまう

インフルエンサー選定で最も多い失敗が、フォロワー数という指標だけで判断してしまうことです。

フォロワー数が多くても、購入された偽のフォロワーが多く、実際には影響力がないケースは少なくありません。

また、フォロワーが多くても、投稿への「いいね」や「コメント」といったエンゲージメント率が極端に低い場合、フォロワーとの関係性が薄く、投稿がファンの心に響いていない可能性があります。

重要なのは、フォロワーの数よりも「質」です。

投稿に対するフォロワーの反応率や、コメントの内容を注意深く確認し、熱量の高いコミュニティを形成できているかを見極める必要があります。

単なるリーチ数だけでなく、本当に影響力のあるインフルエンサーを選びましょう。

フォロワー数に偏らず、影響力の質や親和性を含めた評価軸はインフルエンサー選定基準の設定で整理しています。起用前に基準表を作ってブレを防ぎましょう。

ターゲット属性とフォロワー層のミスマッチ

自社の商品やサービスを届けたいターゲット層と、インフルエンサーが抱えるフォロワー層がずれていては、期待する効果は得られません。

例えば、20代女性向けのコスメを宣伝するために、フォロワーの大半が30代男性であるインフルエンサーを起用しても、購買にはつながりにくいでしょう。

インフルエンサーを選定する際は、その人の個性や投稿内容だけでなく、フォロワーの年齢、性別、地域、興味関心といったデモグラフィックデータを必ず確認する必要があります。

インフルエンサー本人に直接データを開示してもらうか、分析ツールを活用してフォロワー層を詳細に把握し、自社のペルソナと合致するかを慎重に判断することが成功への鍵となります。

ブランドイメージとの不整合

インフルエンサーの持つ雰囲気や世界観、価値観が自社のブランドイメージと合っていない場合、プロモーションが逆効果になる危険性があります。

例えば、高級感や信頼性を重視するブランドが、過激な発言や派手な投稿が多いインフルエンサーを起用すると、ブランドイメージが損なわれ、既存の顧客が離れてしまう可能性があります。

選定の前には、そのインフルエンサーの過去の投稿内容や言動を十分にリサーチすることが不可欠です。

その人が発信するメッセージやライフスタイルが、自社のブランドが大切にしている価値観と一致しているかを確認しましょう。

ブランドとインフルエンサーの親和性が高ければ高いほど、投稿の説得力は増し、フォロワーに自然な形で受け入れられます。

過度な広告露出のあるインフルエンサー起用

頻繁に様々な企業の商品PR投稿を行っているインフルエンサーは、フォロワーから「広告塔」として認識されている可能性があります。

このようなインフルエンサーの投稿は、「また広告か」と見なされ、内容を真剣に読んでもらえなかったり、信頼性が低いと感じられたりする傾向があります。

フォロワーは、インフルエンサーの正直な感想やリアルな体験談を求めています。

広告案件の投稿ばかりが目立つアカウントでは、たとえ商品が良くても、その魅力がフォロワーに伝わりにくくなってしまいます。

インフルエンサーの普段の投稿(オーガニック投稿)と広告投稿のバランスを確認し、自身の言葉で誠実に情報を発信している人物を選ぶことが重要です。

よくある失敗②コミュニケーション不足

インフルエンサーを起用したものの、企業とインフルエンサー間のコミュニケーションが不足していると、様々なトラブルの原因となります。

ここでは、契約内容の曖昧さや、依頼後のフィードバック不足など、円滑な連携を妨げるコミュニケーションの問題点について具体的に解説します。

契約内容の不明確さによるトラブル

インフルエンサーとの間で、契約内容を口約束で済ませたり、曖昧なまま進めたりすると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。

特に「報酬金額と支払いサイト」「投稿内容の詳細(ハッシュタグ、メンション、掲載するURLなど)」「投稿の時期や回数」「制作したコンテンツの二次利用の可否や範囲」といった項目は、明確に文書化し、双方で合意しておく必要があります。

例えば、制作物の権利がどちらに帰属するのかを決めずにいると、企業側がインフルエンサーの投稿を自社のWebサイトや広告で無断使用してしまい、権利侵害を指摘されるといったケースが考えられます。

必ず契約書を作成し、細かい条件まで事前にすり合わせを行いましょう。

依頼後の指示・フィードバックの不足

インフルエンサーに商品やサービスのPRを依頼した後、「丸投げ」状態にしてしまうのは失敗のもとです。

企業側が伝えたい商品の魅力やブランドの意図が十分に伝わっていないと、インフルエンサーは手探りでコンテンツを制作することになり、結果的に期待と異なる投稿になってしまうことがあります。

依頼時には、プロモーションの目的、ターゲット、最も訴求したいポイントなどをまとめたオリエンテーション資料(ブリーフ)を丁寧に説明することが重要です。</p

また、コンテンツ制作の途中段階で進捗を確認し、適切なフィードバックを行うことで、方向性のズレを修正し、より質の高い投稿へと導くことができます。

インフルエンサーをパートナーとして尊重し、密な連携を心がけましょう。

訴求ポイントやNG表現を明文化したブリーフ作成はインフルエンサーマーケティングのコンセプト設計が参考になります。

投稿内容の確認や調整がされない

インフルエンサーが作成した投稿内容を、公開前に企業側が確認(レビュー)するプロセスを設けないと、思わぬトラブルを招くことがあります。

例えば、商品に関する誤った情報が記載されていたり、ブランドイメージを損なうような不適切な表現が使われていたりする可能性があります。

また、薬機法や景品表示法などの法律に抵触する表現が含まれていると、企業の責任が問われることにもなりかねません。

インフルエンサーのクリエイティビティを尊重することは大切ですが、公開前のレビュー体制は必ず構築しましょう。

投稿のドラフト(下書き)を事前に共有してもらい、事実関係や表現方法について双方で確認・調整するステップを踏むことで、リスクを回避し、施策の質を高めることができます。

納期・スケジュール調整が甘い

インフルエンサーマーケティングをキャンペーン全体の一部として実施する場合、スケジュール管理の甘さは致命的な失敗につながります。

例えば、新商品の発売日に合わせて投稿を予定していたにもかかわらず、インフルエンサーへの依頼が遅れたり、商品サンプルの送付が遅延したりすると、計画通りのタイミングで情報発信ができません。

また、複数のインフルエンサーを同時に起用する場合、それぞれの投稿タイミングを調整しないと、情報が一時期に集中しすぎてしまい、効果が分散してしまうこともあります。

施策全体のタイムラインを作成し、インフルエンサーへの依頼、商品発送、コンテンツ制作、レビュー、投稿日といった各工程に余裕を持ったスケジュールを設定し、進捗を管理することが不可欠です。

よくある失敗③コンテンツの質・信頼性の問題

インフルエンサーマーケティングは、投稿される「コンテンツ」そのものの質と信頼性が成功の鍵を握ります。

ここでは、広告色が強すぎて敬遠される、普段の投稿と雰囲気が違うなど、コンテンツに起因する失敗例を取り上げ、フォロワーに受け入れられるコンテンツの条件を探ります。

投稿の広告色が強すぎて嫌悪感を与える

企業が伝えたいメッセージを詰め込みすぎるあまり、投稿がまるで企業の公式発表のような、あからさまな広告になってしまうケースは典型的な失敗です。

フォロワーがインフルエンサーに期待しているのは、その人自身のリアルな言葉や視点を通した情報です。

企業から提供された文言をそのまま掲載したり、過剰に商品を褒めちぎったりするような投稿は、フォロワーにすぐに見抜かれ、「やらされ感」が伝わってしまいます。

その結果、エンゲージメントが低下するだけでなく、インフルエンサー自身の信頼性も損ないます。

インフルエンサーのクリエイティビティを尊重し、自身の言葉で魅力を語ってもらう余地を残すことが、共感を呼ぶコンテンツ作りの秘訣です。

普段の投稿スタイルとかけ離れたクリエイティブ

インフルエンサーは、それぞれ独自の写真の撮り方、文章の書き方、世界観を持っています。

その人らしいスタイルこそが、ファンを惹きつける魅力の源泉です。

しかし、企業側がクリエイティブの細部にまで過度に干渉し、インフルエンサーの普段の投稿スタイルとかけ離れたコンテンツを要求してしまうと、フォロワーは強い違和感を覚えます。

例えば、普段はユーモアあふれる投稿をしているインフルエンサーに、突如として真面目で堅い文章を投稿させても、フォロワーの心には響きません。

結果としてエンゲージメントは伸び悩み、インフルエンサーにとってもファンを失望させる辛い仕事になってしまいます。

その人の個性を最大限に活かしてもらうことが、最も効果的なPRにつながります。

エビデンス不足や誇張表現による信頼失墜

商品やサービスの魅力を伝えたいあまり、客観的な根拠(エビデンス)がないにもかかわらず、効果を断定したり、事実を過度に誇張したりする表現を用いてしまうと、企業の信頼を大きく損なうことになります。

特に健康食品や化粧品などの分野では、「これを飲むだけで痩せる」「シミが完全に消える」といった表現は、薬機法や景品表示法に抵触する可能性があります。

万が一、投稿内容が炎上し、消費者庁から指摘を受けるような事態になれば、ブランドイメージの失墜は避けられません。

インフルエンサーに情報を提供する際は、必ずエビデンスに基づいた正確な情報を渡し、使用できる表現とできない表現のガイドラインを明確に共有することが重要です。

投稿の乱立によるフォロワーの関心低下

短期間に、多数のインフルエンサーが同じようなハッシュタグを使い、似たような内容の商品PR投稿を一斉に行うと、フォロワーのタイムラインがその商品の情報で埋め尽くされてしまいます。

最初は興味を持ったとしても、何度も同じような投稿を目にすることで、フォロワーは「またこの広告か」「流行りを無理やり作ろうとしているな」と感じ、うんざりしてしまいます。

このような「投稿の乱立」は、かえって商品への関心を低下させ、ブランドに対するネガティブな印象を与えかねません。

インフルエンサーを複数人起用する場合は、それぞれの投稿タイミングを戦略的にずらしたり、紹介する切り口にバリエーションを持たせたりするなど、フォロワーが飽きないような工夫が求められます。

よくある失敗④法的・コンプライアンス違反

インフルエンサーマーケティングを実施する上で、法律や社会的なルールを守る「コンプライアンス意識」は不可欠です。

ここでは、景品表示法違反やステルスマーケティングなど、知らずに犯してしまうと企業の存続に関わる重大な法的リスクについて解説します。

景品表示法・薬機法の違反

インフルエンサーの投稿は広告と見なされるため、景品表示法や薬機法といった法律の規制対象となります。

景品表示法では、事実と異なる表示や、実際よりも著しく優れていると誤認させるような「優良誤認表示」が禁止されています。

また、薬機法では、化粧品や健康食品について、医薬品と誤解されるような効果効能を謳うことはできません。

これらの法律に違反する表現をインフルエンサーが使用した場合、その責任は依頼主である企業にも及びます。

事前に専門家によるリーガルチェックを行い、インフルエンサーにも表現のガイドラインを共有することが不可欠です。

法律NG表現の例OK表現の例
景品表示法「人気No.1」(客観的な調査結果がない場合)「〇〇調べで満足度95%」
薬機法(化粧品)「シミが消える」「アンチエイジング」「シミ・そばかすを防ぐ」「年齢に応じたお手入れ」
薬機法(健康食品)「飲むだけで痩せる」「疲労回復」「スッキリをサポート」「毎日の元気に」

ステルスマーケティングの発覚

ステルスマーケティング(ステマ)とは、企業から金銭などの対価を得ているにもかかわらず、それを隠して、あたかも個人の感想であるかのように商品を宣伝する行為です。

これは消費者を欺く行為であり、2023年10月から日本の景品表示法で明確に禁止されました。

インフルエンサーにPRを依頼する際は、その投稿が広告であることをフォロワーが明確に認識できるように表示する義務があります。

具体的には、「#PR」「#広告」「#プロモーション」といったハッシュタグを投稿の分かりやすい位置に記載したり、「〇〇社とのタイアップ投稿です」といった文言を入れたりする必要があります。

ステマが発覚すれば、企業の社会的信用は失墜し、消費者からの厳しい批判に晒されることになります。

著作権侵害・無断転載のリスク

インフルエンサーが投稿を作成する際に使用する画像、動画、音楽などのコンテンツが、第三者の著作権を侵害していないか、企業側も注意を払う必要があります。

例えば、インフルエンサーがインターネット上で見つけた他人の写真や、市販のCD音源などを無断で投稿に使用した場合、著作権侵害にあたります。

また、アニメのキャラクターや芸能人の写真を無断で使うことも同様です。

こうした権利侵害が発覚した場合、インフルエンサーだけでなく、依頼主である企業も使用者責任を問われる可能性があります。

契約時に、使用するコンテンツはすべて権利をクリアしたものであることを確認し、必要であれば著作権フリーの素材を提供するなどの対策が求められます。

インフルエンサーの過去の言動の未チェックによる炎上

インフルエンサーを起用した後に、その人物の過去のSNS投稿や発言が掘り起こされ、差別的な内容や反社会的な言動が発覚し、「炎上」するケースが後を絶ちません。

ひとたび炎上すれば、「なぜあんな人物を起用したのか」と、企業の任命責任が問われ、ブランドイメージは大きく傷つきます。

このような事態を避けるためには、起用を決定する前に、インフルエンサーの過去の活動を入念に調査する「バックグラウンドチェック」が不可欠です。

SNSでの過去の投稿を遡って確認したり、検索エンジンで名前を検索してネガティブな情報がないか調べたりするなど、リスク管理を徹底することが、ブランドを守る上で極めて重要です。

よくある失敗⑤KPI設計・効果測定の失敗

施策の目的を達成できたかどうかを正しく判断するためには、適切なKPI(重要業績評価指標)の設計と、正確な効果測定が欠かせません。

ここでは、目標設定が曖昧であったり、データを分析する体制がなかったりするために、施策が成功したのか失敗したのかすら分からない、という事態に陥る失敗例を解説します。

成果指標(KPI)が曖昧・定量化されていない

インフルエンサーマーケティングの目的を「ブランドの認知度を上げる」「商品のイメージアップ」といった曖昧な言葉で設定しているだけでは、施策の成果を客観的に評価することができません。

これらは定性的な目標であり、どれだけ達成できたのかを測るのが難しいからです。

目的を達成するために、具体的な数値で測れるKPIを設定する必要があります。

例えば、「認知度向上」が目的ならKPIは「リーチ数(投稿が何人に見られたか)」「インプレッション数(投稿が表示された回数)」に、「エンゲージメント向上」が目的なら「いいね数」「コメント数」「保存数」に設定するなど、目標を定量化することが重要です。

目的別のKPI設定と計測方法はインフルエンサーマーケティングの効果測定にまとめています。認知ならリーチ/購買ならCVなど、指標を目的に結び付けて運用しましょう。

設定したKPIが狙いとずれている(例:認知 vs 購買)

設定したKPIが、本来の目的とずれているケースもよくある失敗です。

例えば、キャンペーンの最終目的が「商品の購入数を増やすこと(購買促進)」であるにもかかわらず、KPIを「いいね数」や「フォロワー数の増加」に設定してしまうと、正しい効果測定はできません。

「いいね」がたくさん付いても、それが必ずしも売上に直結するとは限らないからです。

購買促進が目的なのであれば、KPIは「ECサイトへのクリック数」「クーポンコードの利用数」「コンバージョン数(購入件数)」といった、より直接的な指標に設定するべきです。

施策の目的に立ち返り、その達成度を最も正確に測れる指標は何かを慎重に検討しましょう。

データ取得・分析体制が整っていない

適切なKPIを設定しても、その数値を計測し、分析するための体制が整っていなければ意味がありません。

インフルエンサーマーケティングは「実施して終わり」ではなく、投稿後のデータを収集・分析し、何が良くて何が悪かったのかを明らかにすることで、次回の施策を改善していくことができます。

インフルエンサーから投稿後のインサイトデータ(リーチ数、エンゲージメント率など)をレポートとして提出してもらう仕組みを整えましょう。

さらに、専用の分析ツールを導入したり、パラメータ付きURLを発行してWebサイトへの流入を計測したりするなど、多角的にデータを取得し、それを分析できる担当者を置くことが、施策の精度を高める上で不可欠です。

偽フォロワーやエンゲージメント率の過大評価

インフルエンサーが提示するフォロワー数やエンゲージメント率といった数値を、鵜呑みにしてしまうのは危険です。

前述の通り、フォロワーは購入することができますし、「いいね」や「コメント」を自動で増やすサービスも存在します。

見かけ上の数値は良くても、実際にはほとんど影響力がないというケースもあります。

数値の真偽を見極めるためには、エンゲージメント率だけでなく、コメントの内容を精査することが有効です。

「かわいい!」「すごい!」といった単純なコメントばかりでなく、投稿内容に関する具体的な質問や感想が寄せられているかを確認しましょう。

また、フォロワー数の推移をツールで確認し、短期間で不自然に急増していないかをチェックすることも、偽フォロワーを見抜く一つの方法です。

よくある失敗⑥長期戦略の欠如

インフルエンサーマーケティングの効果を最大化するには、短期的な視点ではなく、長期的な戦略が不可欠です。

ここでは、一回きりの施策で終わってしまったり、インフルエンサーとの関係構築を怠ったりすることで、持続的な成果につなげられない失敗例について解説します。

1回限りの施策で終わってしまう

インフルエンサーマーケティングを、一度きりの「打ち上げ花火」のような単発施策で終わらせてしまうのは、非常にもったいない失敗です。

消費者が商品やブランドを認知し、興味を持ち、最終的に購買に至るまでには、複数回にわたる情報の接触が必要とされています。

たった一度の投稿では、すぐに忘れ去られてしまう可能性が高いのです。

効果を定着させるためには、単発で終わらせるのではなく、年間計画の中にインフルエンサーマーケティングを組み込み、継続的に情報を発信していくことが重要です。

中長期的な視点で予算を確保し、戦略的に施策を続けることで、ブランドの認知度や好意度は着実に積み上がっていきます。

インフルエンサーとの関係構築が短期的

インフルエンサーを単なる「広告枠」や「宣伝手段」として捉え、依頼した仕事が終われば関係も終わり、という短期的な付き合い方では、熱量の高いコンテンツは生まれません。

優れたインフルエンサーマーケティングは、企業とインフルエンサーがパートナーとして良好な関係を築くことから始まります。

インフルエンサー自身に心からブランドのファンになってもらうことで、投稿内容にはより一層の熱意と説得力が生まれます。

継続的にコミュニケーションを取り、新商品の情報を提供したり、イベントに招待したりするなど、インフルエンサーとの長期的な関係構築に努めましょう。

良好な関係は、マニュアル通りの投稿ではない、インフルエンサー自身の言葉による本質的なPRへとつながります。

ブランドメッセージの一貫性が保たれない

長期的な戦略がなく、その場しのぎで複数のインフルエンサーを起用していると、それぞれのインフルエンサーが発信するブランドメッセージに一貫性がなくなり、消費者にブランドのイメージが正しく伝わらないという問題が生じます。

Aさんは「品質の高さ」をアピールし、Bさんは「価格の手頃さ」を強調し、Cさんは「デザイン性」を訴求するといったように、訴求ポイントがバラバラでは、ブランドの核心的な価値が曖昧になってしまいます。

起用するインフルエンサー全員に、ブランドが最も伝えたい中核的なメッセージやブランドガイドラインを共有し、発信する情報に一貫性を持たせることが重要です。

これにより、どのインフルエンサーの投稿を見ても、統一されたブランドイメージが消費者に届くようになります。

フォロワー層・市場の変化への対応が遅い

SNSのトレンドやユーザーの価値観は、非常に速いスピードで変化しています。

かつては絶大な人気を誇っていたインフルエンサーが、数年後には影響力を失っていることも珍しくありません。

また、ターゲットとするフォロワー層の興味関心も常に移り変わっていきます。

過去の成功体験に固執し、同じインフルエンサーや同じ手法を漫然と続けているだけでは、時代遅れとなり、効果はどんどん薄れていってしまいます。

長期的な戦略を持つということは、定期的に市場の動向やSNSのトレンドを分析し、戦略を柔軟に見直していくことも含みます。

常に最新の情報をキャッチアップし、変化に対応していく姿勢が、持続的な成功には不可欠です。

まとめ

本記事では、インフルエンサーマーケティングにおける6つの主要な失敗パターン、「インフルエンサー選定」「コミュニケーション不足」「コンテンツの質」「法的問題」「効果測定」「長期戦略の欠如」について解説しました。

これらの失敗は、いずれも事前の計画やリサーチ、そして丁寧なコミュニケーションによって防ぐことが可能です。

成功の鍵は、フォロワー数だけでなく質を見極め、明確な契約のもとでパートナーとして連携し、法律を遵守しながら、長期的な視点で効果を測定・改善していくことです。

これらのポイントを押さえ、効果的な施策を実現しましょう。

次の記事「インフルエンサーマーケティングのKPIとKGI設定」はこちら

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