インフルエンサーマーケティングの効果測定

インフルエンサーマーケティングの効果測定

インフルエンサーマーケティングの成功は、適切な効果測定にかかっています。

施策の目的を明確にし、KPIを設定して数値を分析することで、投じた費用の効果を可視化できます。

本記事では、具体的なKPI指標や測定における課題と対策を解説し、マーケティング効果を最大化するための方法を紹介します。

目次

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インフルエンサーマーケティングの効果測定とは何か?

インフルエンサーマーケティングの効果測定とは、施策が目標に対してどれだけの成果を上げたかを定量的に評価することです。

成功の鍵は、キャンペーンの目的を明確にし、それに合わせた指標(KPI)を設定することにあります。

認知拡大、興味関心、購買といった各段階で適切な指標を追跡し、KGI(最終目標)の達成度を測ります。

目的によって測定内容が変わる

インフルエンサーマーケティングの効果測定は、キャンペーンの目的によって用いるべき指標が大きく異なります。

例えば、新商品の「認知拡大」が目的なら、どれだけ多くの人に見られたかを示す「リーチ数」や「インプレッション数」が重要です。

一方で、ウェブサイトへの誘導や商品購入を促す「販売促進」が目的なら、「クリック数」や「コンバージョン数」を重視すべきです。

このように、目的に合致した指標を選ばなければ、施策の成果を正しく評価することはできません。

施策開始前に目的を明確に定義し、チーム全体で共有することが成功への第一歩となります。

「認知」「興味関心」「購買」など段階を分けて考える

効果測定は、消費者の購買行動プロセスに合わせて段階的に考えることが重要です。

具体的には、「認知」「興味関心」「購買」の3つのフェーズで指標を分けて設定します。

「認知」段階では、リーチ数やインプレッション数でどれだけ広く知られたかを測ります。

「興味関心」段階では、いいね数、コメント数、保存数などで、ユーザーがどれだけ関心を持ったかを評価します。

最後の「購買」段階では、サイト遷移数やコンバージョン数、クーポン利用数などで、実際の行動に繋がったかを測定します。

これにより、施策がどの段階で効果的だったか、あるいは課題があったかを具体的に把握できます。

KPI・KGIを用いて数値化することが基本

インフルエンサーマーケティングの効果を客観的に評価するためには、数値を活用することが不可欠です。

その基本となるのが、KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の設定です。

KGIは「売上120%アップ」のような最終的なゴールを指します。

一方、KPIはKGIを達成するための中間指標であり、「サイト流入数1万人」「コンバージョン率3%」のように設定します。

これらの指標を事前に定めることで、施策の進捗状況を定量的に把握し、目標達成に向けた具体的な改善アクションに繋げることができます。

インフルエンサーマーケティング効果測定 に必要なKPI指標一覧

インフルエンサーマーケティングの効果測定には、目的に応じて多様なKPI(重要業績評価指標)が用いられます。

認知度向上を目指すならリーチ数やインプレッション数、エンゲージメントを測るならいいね数やコメント数、そして最終的な成果を見るためにはコンバージョン数や売上などが重要です。

ここでは主要なKPIを解説します。

リーチ数

リーチ数は、インフルエンサーの投稿を閲覧したユニークユーザーの総数を指します。

つまり、「何人の人に見てもらえたか」を示す指標です。

同じユーザーが複数回投稿を見ても、リーチ数は「1」とカウントされます。

特に、新商品やサービスの認知度を広げたい場合に重要なKPIとなります。

リーチ数が多ければ多いほど、広範囲の潜在顧客に情報を届けられたと評価できます。

ただし、リーチしただけでユーザーが関心を持ったとは限らないため、他のエンゲージメント指標と合わせて分析することが重要です。

インプレッション数

インプレッション数は、インフルエンサーの投稿がユーザーの画面に表示された合計回数を指します。

リーチ数が「人数」を測るのに対し、インプレッション数は「表示回数」を測る指標です。

一人のユーザーが投稿を3回見れば、インプレッション数は「3」とカウントされます。

この指標は、ブランドや商品のメッセージを繰り返し届け、ユーザーの記憶に残りやすくしたい場合に特に有効です。

インプレッション数が多いほど、投稿がアルゴリズムによって高く評価され、多くのユーザーの目に触れる機会を得ていることを示唆します。

動画再生数

動画再生数は、投稿された動画コンテンツが再生された合計回数を示す指標です。

商品の使用方法やサービスの魅力を伝えるショート動画やリール動画などで特に重要視されます。

プラットフォームによって再生数の定義は異なり、例えば「3秒以上の視聴」で1回とカウントされる場合があります。

単なる再生数だけでなく、平均視聴時間や視聴維持率といった指標も併せて分析することで、ユーザーが動画コンテンツにどれだけ引き込まれたかをより深く理解することができます。

動画の内容に対するユーザーの関心度を測るための重要なKPIです。

いいね数

いいね数は、投稿に対してユーザーが「いいね」や「♡」などのポジティブな反応を示した数です。

これは最も基本的なエンゲージメント指標の一つであり、投稿内容がユーザーに好意的に受け入れられたかを手軽に測ることができます。

いいね数が多ければ、コンテンツの質が高く、ターゲットオーディエンスの共感を得られたと判断できます。

ただし、いいねは比較的気軽に行えるアクションであるため、これだけで深い関心度を測るのは難しい側面もあります。

コメント数や保存数など、他のより能動的なエンゲージメント指標と組み合わせて評価することが望ましいです。

コメント数

コメント数は、投稿に対してユーザーから寄せられたコメントの総数です。

いいねよりもユーザーの手間がかかるアクションであるため、より深いエンゲージメントや興味関心を示す指標とされています。

コメントの内容を分析することで、ユーザーが投稿の何に興味を持ったのか、どのような感想や疑問を抱いたのかといった定性的なインサイトを得ることも可能です。

肯定的なコメントが多ければ、ブランドイメージの向上に繋がっていると評価できます。

コメント数とその内容の両方を見ることで、施策の効果を多角的に分析できます。

保存数

保存数は、ユーザーが後で見返したいと思い、投稿を保存した数を示します。

この指標は、特にInstagramなどのプラットフォームで重要視されます。

ユーザーが投稿を有益で価値のある情報だと判断した証拠であり、非常に質の高いエンゲージメントと見なされます。

例えば、レシピや旅行先の情報、ノウハウ系のコンテンツなどは保存されやすい傾向があります。

保存数が多い投稿は、ユーザーにとっての実用性が高く、長期的な関心を引きつけていることを意味します。

アルゴリズム上も高く評価されやすい指標の一つです。

シェア率

シェア率は、投稿が他のユーザーにシェア(共有)された割合を示す指標です。

ユーザーが「この情報を他の人にも伝えたい」と感じるほど、コンテンツに強く共感したり、有益だと感じたりしたことを意味します。

シェアされることで、インフルエンサーのフォロワー以外にも情報が拡散され、二次的なリーチ拡大(バイラル効果)が期待できます。

エンゲージメントの中でも特に能動的なアクションであり、情報の拡散力を測る上で非常に重要なKPIです。

シェア率を計算することで、投稿がどれだけ拡散力を持っていたかを客観的に評価できます。

クリック数

クリック数は、投稿に含まれるURLや、プロフィール欄に設置されたリンクがクリックされた回数を指します。

自社のウェブサイトやECサイト、キャンペーンページなど、特定のページへユーザーを誘導したい場合に最も重要なKPIの一つです。

クリック数は、ユーザーが商品やサービスに対して具体的な興味を持ち、次のアクションを起こそうとした明確な証拠となります。

クリック数を計測することで、インフルエンサーの投稿がどれだけ効果的にトラフィックを生み出したかを直接的に測定できます。

短縮URLサービスなどを使うと、投稿ごとのクリック数を正確に追跡できます。

サイト遷移数

サイト遷移数は、インフルエンサーの投稿にあるリンクをクリックした後、実際に自社のウェブサイトや指定のページに到達(訪問)したユーザーの数を示します。

クリック数と似ていますが、クリックしたもののページの読み込み中に離脱したユーザーは含まれないため、より正確な誘導効果を測ることができます。

Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを用いて、特定のパラメータ(UTMパラメータ)を付与したURLを発行することで、どのインフルエンサーのどの投稿から何人がサイトを訪れたかを正確に計測することが可能です。

UGC投稿数

UGC(User Generated Content)投稿数は、インフルエンサーの投稿に触発されたユーザーが、自発的に商品やブランドに関するコンテンツを投稿した数を示します。

例えば、特定のハッシュタグを付けた投稿キャンペーンなどで計測されます。</p

UGCは、企業発信の情報よりも消費者からの信頼性が高いとされるため、UGCが増えることはブランドの認知度や信頼性の向上に大きく貢献します。

ユーザーを巻き込んだキャンペーンがどれだけ盛り上がったかを測る指標であり、ファンの熱量やコミュニティ形成の成功度を評価する上で重要です。

コンバージョン数

コンバージョン(CV)数は、インフルエンサーマーケティング施策を通じて達成された最終的な成果の数を指します。

ここでの「成果」とは、事前に設定した目標のことであり、商品購入、会員登録、資料請求、アプリのダウンロードなどが該当します。

これは施策のビジネスへの直接的な貢献度を測る最も重要な指標の一つです。

専用のクーポンコードを発行したり、UTMパラメータ付きのURLを活用したりすることで、どのインフルエンサー経由でどれだけのコンバージョンが生まれたかを正確に追跡することが可能になります。

売上・クーポン利用数

売上やクーポン利用数は、インフルエンサーマーケティングの投資対効果(ROI)を直接的に測るための非常に重要な指標です。

インフルエンサーごとに固有のクーポンコードやアフィリエイトリンクを発行することで、誰の投稿がどれだけの売上に繋がったかを明確に特定できます。

これにより、各インフルエンサーの販売貢献度を数値で比較・評価することが可能になります。

特にECサイトでの販売促進を目的とするキャンペーンでは、この指標が施策の成否を判断する上で中心的な役割を果たします。

費用対効果を算出し、今後の予算配分を最適化するための貴重なデータとなります。

指名検索数

指名検索数とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、企業名やブランド名、商品名が直接検索された回数を指します。

インフルエンサーの投稿を見たユーザーが、すぐにリンクをクリックするのではなく、後で思い出して検索するという行動は頻繁に起こります。

キャンペーン期間中やその直後に指名検索数が増加した場合、それはインフルエンサーの投稿がユーザーの興味を喚起し、ブランドへの関心を高めた間接的な効果と捉えることができます。

直接的なコンバージョンだけでなく、こうしたブランド認知度や興味関心の向上を示す指標としても注目されます。

インフルエンサーマーケティング効果測定 におけるよくある課題とその対策

インフルエンサーマーケティングの効果測定は重要ですが、いくつかの課題も存在します。

売上への直接的な貢献度の可視化が難しかったり、取得できるデータに制約があったりします。

また、インフルエンサー選定のミスや過度な商業性による信頼低下も課題です。

これらの課題への具体的な対策を解説します。

売上貢献を特定しにくい

インフルエンサーの投稿が最終的にどれだけ売上に繋がったかを正確に特定するのは難しい課題です。

ユーザーは投稿を見てすぐには購入せず、後日、別の経路で購入することがあるため、直接的な効果が見えにくくなります。

この対策として、インフルエンサーごとに固有の「クーポンコード」や「アフィリエイトリンク」を発行する方法が有効です。

これにより、誰の投稿経由での購入かが明確になります。

また、キャンペーン期間中の指名検索数の変化や、サイトへのダイレクトアクセスの増加を分析することも、間接的な貢献度を測る上で役立ちます。

指標取得の制約

効果測定に必要な全てのデータを自由に取得できるわけではない、という制約も課題の一つです。

特に、インフルエンサーのアカウントのインサイト情報(リーチ数、保存数、フォロワーの属性など)は、本人しか詳細を確認できません。

この対策としては、施策開始前にインフルエンサーと契約を結ぶ段階で、インサイトデータの共有を依頼し、レポート提出を義務付けることが重要です。

また、インフルエンサーマーケティング支援ツールやプラットフォームを利用すれば、一部のデータを代理で取得・分析してくれる場合もあります。

事前の取り決めとツールの活用が鍵となります。

インフルエンサー選定ミスマッチ

インフルエンサーの選定ミスは、施策の効果が出ない大きな原因となります。

単にフォロワー数が多いという理由だけで選んでしまうと、自社のターゲット層とインフルエンサーのフォロワー層が一致せず、情報が響かないことがあります。

対策としては、フォロワー数だけでなく、フォロワーの年齢層、性別、地域といったデモグラフィック情報や、エンゲージメント率(いいねやコメントの質)を重視することです。

過去の投稿内容や世界観が自社ブランドと合っているか、熱心なファンがついているかなどを事前にしっかりリサーチすることが、ミスマッチを防ぐ鍵となります。

過度な商業性による信頼低下リスク

いかにも広告らしい、商業的な色が強すぎる投稿は、ユーザーに敬遠されがちです。

「ステマ(ステルスマーケティング)」と受け取られると、インフルエンサーとブランド双方の信頼性を損なうリスクがあります。

対策としては、インフルエンサーの普段の投稿スタイルやクリエイティビティを尊重し、彼らの言葉で自然に商品やサービスの魅力を語ってもらうことです。

企業側が投稿内容を細かく縛りすぎず、インフルエンサーとの共同制作(Co-Creation)の姿勢で臨むことが、ユーザーに受け入れられるオーセンティックなコンテンツを生み出す秘訣です。

短期成果偏重による中長期効果の見落とし

効果測定を行う際、つい商品購入などの短期的な成果(コンバージョン)ばかりに目が行きがちです。

しかし、インフルエンサーマーケティングの価値は、ブランド認知度の向上やファンの育成といった中長期的な効果にもあります。

対策としては、短期的なKPI(クリック数、CV数など)と、中長期的なKPI(指名検索数、UGC数、ブランド好意度の変化など)の両方を設定し、バランス良く評価する視点を持つことが重要です。

一度の施策で終わらせず、継続的に実施し、長期的な視点でブランドへの貢献度を測ることで、本質的な価値を見誤らずに済みます。

まとめ

インフルエンサーマーケティングの効果測定は、施策の成功に不可欠です。

「認知」「興味関心」「購買」といった目的に応じて適切なKPIを設定し、数値を分析することで、施策の価値を可視化し、ROIを最大化できます。

売上貢献の特定などの課題には、クーポン活用や中長期的視点での評価といった対策が有効です。

本記事で紹介した指標や考え方を参考に、効果的な測定と改善を繰り返しましょう。

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