SNSマーケティングとインフルエンサーマーケティングの違いとは?

SNSマーケティングとインフルエンサーマーケティングは、どちらもSNSを活用した手法ですが、その目的やアプローチは大きく異なります。
SNSマーケティングが企業自身の声で情報を届ける「公式発表」だとすれば、インフルエンサーマーケティングは影響力のある第三者の声を通じた「口コミ」です。
本記事では、この2つの手法の基本的な違いから、目的、ターゲット、コスト、効果測定の方法、そして効果的な組み合わせ方まで、わかりやすく解説します。
そもそもインフルエンサーマーケティングとはどのような施策なのか、メリットやデメリットを整理した記事もあります。詳しくはインフルエンサーマーケティングとは?メリット・デメリットを紹介をご覧ください。
SNSマーケティングとインフルエンサーマーケティングの基本的な違い
SNSマーケティングとインフルエンサーマーケティングの最も基本的な違いは、「誰が」「どのような形で」情報を発信するかにあります。
SNSマーケティングは企業が主体となって直接ユーザーに語りかけるのに対し、インフルエンサーマーケティングは影響力を持つ個人を介して、より消費者に近い目線で情報を届けます。
この発信主体の違いが、情報の信頼性や拡散の仕方に大きな差を生み出します。
項目 | SNSマーケティング | インフルエンサーマーケティング |
---|---|---|
発信主体 | 企業(自社アカウント) | 第三者(インフルエンサー) |
情報の性質 | 公式情報、広告 | 口コミ、レビュー、個人の感想 |
アプローチ | 企業 → 消費者 | 企業 → インフルエンサー → 消費者 |
SNSマーケティング:自社発信と広告が中心
SNSマーケティングは、企業が自社の公式アカウント(例:Instagram、X、Facebookなど)を運用し、情報を発信する活動全般を指します。
主な内容は、新商品のお知らせ、キャンペーンの告知、ブランドの世界観を伝える投稿、ユーザーとのコミュニケーションなど多岐にわたります。
これに加えて、より多くのターゲットに情報を届けるためにSNS広告を併用するのが一般的です。
広告では、年齢、性別、興味関心などでターゲットを細かく設定し、効率的にアプローチできます。
企業が発信する情報やクリエイティブを完全にコントロールできるため、ブランドイメージを正確に伝え、一貫性のあるコミュニケーションを継続的に行える点が大きな強みです。
自社発信と第三者発信の違いを整理した内容はインフルエンサーマーケティングとは?メリット・デメリットにまとめています。
インフルエンサーマーケティング:第三者による口コミ拡散
インフルエンサーマーケティングは、特定の分野やコミュニティにおいて強い影響力を持つ「インフルエンサー」に商品やサービスを紹介してもらう手法です。
企業からの直接的な宣伝ではなく、インフルエンサーという第三者のフィルターを通すことで、情報の信頼性が格段に高まります。
消費者は広告に対して警戒心を持つことがありますが、自分がフォローしている信頼するインフルエンサーのおすすめは、素直に受け入れやすい傾向があります。
インフルエンサーの持つ独自の世界観や言葉で語られるため、広告色が薄まり、より自然な形でフォロワーに情報が届きます。
これにより、企業だけではアプローチが難しい特定のファン層に、効果的にリーチすることが可能になります。
目的・効果の違い
発信主体が異なるため、両者が得意とする目的や期待できる効果にも違いが生まれます。
SNSマーケティングは、広告などを活用して広く情報を届け、ブランドの認知度向上やファンとの長期的な関係構築を得意とします。
一方、インフルエンサーマーケティングは、個人の信頼をベースにしているため、より深い共感を呼び、購買などの具体的なアクションに繋げやすいのが特徴です。
項目 | SNSマーケティング | インフルエンサーマーケティング |
---|---|---|
主な目的 | 認知拡大、ブランディング、ファン育成 | 信頼獲得、購買促進、話題化 |
期待できる効果 | エンゲージメント向上、顧客ロイヤリティ向上 | コンバージョン率向上、UGCの創出 |
得意なファネル | 認知・興味関心 | 比較検討・購買 |
SNSマーケティング:認知拡大とファン育成
SNSマーケティングの主要な目的は、ブランドや商品の存在をまだ知らない潜在層を含む、幅広いユーザーに知ってもらう「認知拡大」です。
SNS広告を活用すれば、ターゲットを絞り込みつつ、大規模なリーチを獲得できます。
さらに、継続的な情報発信を通じてフォロワーとコミュニケーションを取ることで、企業やブランドに対する親近感を醸成し、エンゲージメントを高めていきます。
有益な情報を提供したり、ユーザーのコメントに返信したりする地道な活動が、徐々にファンを育て、長期的な顧客ロイヤリティの向上に繋がります。
これは、すぐに売上に直結するわけではありませんが、将来にわたってブランドを支えてくれる強固な基盤を築くための重要な活動です。
インフルエンサーマーケティング:信頼獲得と購買促進
インフルエンサーマーケティングが最も効果を発揮するのは、「信頼の獲得」とそれを起点とした「購買促進」です。
インフルエンサーは、フォロワーとの間に築き上げた信頼関係が最大の資産です。
そのインフルエンサーが自身の言葉で「これは良い」と推奨する商品は、フォロワーにとって非常に説得力のある情報となります。
「あの人が使っているなら試してみたい」「この人が言うなら間違いない」という心理が働き、購買への最後のひと押しとなるケースが少なくありません。
特に、専門性の高い分野や、ユーザーレビューが重視される商材(コスメ、ガジェット、食品など)において、その効果は絶大です。
ターゲットの違い
誰に情報を届けたいか、というターゲット設定においても両者には明確な違いがあります。
SNSマーケティングは、プラットフォームが持つ膨大なデータを利用して、幅広い層の中から条件に合うユーザーを狙い撃ちするイメージです。
対してインフルエンサーマーケティングは、特定の人物やテーマに関心を持つ、熱量の高いコミュニティに直接アプローチする方法と言えます。
項目 | SNSマーケティング | インフルエンサーマーケティング |
---|---|---|
ターゲットの広さ | 広い(潜在層〜顕在層) | 狭く深い(特定のファン層) |
ターゲティング方法 | デモグラフィック、興味関心など | インフルエンサーの属性、フォロワー層 |
アプローチの質 | 広く網をかける | 特定のコミュニティに直接リーチ |
SNSマーケティング:幅広い層にアプローチ
SNSマーケティング、特にSNS広告の強みは、その精緻なターゲティング機能にあります。
年齢、性別、居住地といった基本的なデモグラフィック情報はもちろん、「最近〇〇に興味を示した」「〇〇というキーワードで検索した」といったユーザーの行動履歴に基づいてターゲットを絞り込むことが可能です。
これにより、自社の製品やサービスに関心を持つ可能性のある潜在顧客層に対して、広くアプローチすることができます。
例えば、20代女性で美容に関心がある層、都内在住でアウトドアが趣味の30代男性、といった形で複数のペルソナを設定し、それぞれに最適化されたメッセージを届けるといった戦略も有効です。
ターゲット設定の考え方についてはインフルエンサーマーケティングのターゲット・ペルソナ設定をご覧ください。
インフルエンサーマーケティング:特定の層に深くリーチ
インフルエンサーマーケティングのターゲットは、インフルエンサーの「フォロワー」です。
フォロワーは、そのインフルエンサーの発信する情報(ファッション、ガジェット、ライフスタイルなど)に強い関心や共感を抱いている人々です。
つまり、インフルエンサーを選ぶことは、その先にいる特定の興味・関心で集まったコミュニティを選ぶことと同義になります。
例えば、ある特定のゲームの攻略情報を発信するインフルエンサーを起用すれば、そのゲームの熱心なファンに直接アプローチできます。
これは、デモグラフィック情報だけでは捉えきれない、非常にエンゲージメントの高いニッチなターゲット層に、深くリーチできる強力な手法です。
手法・コンテンツの違い
用いる具体的な手法や、発信されるコンテンツの性質も大きく異なります。
SNSマーケティングでは、企業が計画的に作成した広告や投稿が中心となります。
一方でインフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサー個人のクリエイティビティや個性を活かした、よりオーガニック(自然)なコンテンツが主体となります。
どちらも同じプラットフォーム上で行われますが、その表現方法は対照的です。
項目 | SNSマーケティング | インフルエンサーマーケティング |
---|---|---|
主な手法 | 公式アカウント投稿、SNS広告、キャンペーン | タイアップ投稿、ギフティング、コラボ |
コンテンツの主体 | 企業(ブランド) | インフルエンサー(個人) |
表現の自由度 | 低い(企業がコントロール) | 高い(インフルエンサーの裁量) |
SNSマーケティングで使う手法
SNSマーケティングで用いられる手法は多岐にわたります。
中心となるのは、公式アカウントからの日々の情報発信です。
これには、新商品の紹介や使い方、開発秘話、お役立ち情報など、ユーザーにとって価値のあるコンテンツの提供が含まれます。
また、ユーザーの参加を促す手法として、ハッシュタグキャンペーンやプレゼント企画なども頻繁に実施されます。
そして、これらの活動をさらに加速させるのがSNS広告です。
タイムライン広告やストーリーズ広告など、各SNSの特性に合わせたフォーマットを活用し、フォロワー以外のユーザーにも情報を届け、認知拡大やウェブサイトへの誘導を図ります。
インフルエンサーマーケティングで使う手法
インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーとの関係性に基づいた多様な手法が用いられます。
最も一般的なのが、商品やサービスを提供し、インフルエンサー自身のSNSアカウントで感想などを投稿してもらう「タイアップ投稿」や「ギフティング」です。
また、インフルエンサーにイベントへ登壇してもらったり、ライブ配信で商品を紹介してもらったりすることもあります。
さらに深い関係性を築く手法として、企業とインフルエンサーが共同で商品を開発する「コラボレーション」も人気です。
これらの手法では、インフルエンサーの世界観を尊重し、彼らの言葉で自然に語ってもらうことが、フォロワーの共感を得る上で非常に重要になります。
プラットフォームによる向き不向き
SNSと一括りに言っても、プラットフォームごとにユーザー層や文化、得意なコンテンツ形式が異なります。
例えば、Instagramは美しい写真や動画といったビジュアルコンテンツに強く、ファッションやコスメ、グルメなどのジャンルと好相性です。
一方で、TikTokは短い動画と音楽を組み合わせたエンターテインメント性の高いコンテンツが中心で、若年層へのアプローチに優れています。
X(旧Twitter)はリアルタイム性と情報の拡散力、YouTubeは長尺動画による詳細なレビューや解説が得意です。
自社の商材やターゲット層、マーケティングの目的に合わせて、最適なプラットフォームを選択することが成功の鍵となります。
プラットフォーム | 特徴 | 相性の良いマーケティング |
---|---|---|
ビジュアル重視、ストーリーズ機能が人気 | アパレル、コスメ、旅行、飲食など(世界観の醸成) | |
X (旧Twitter) | リアルタイム性、拡散力が高い、匿名性が高い | キャンペーン、速報性の高い情報発信、顧客サポート |
TikTok | 短尺動画、トレンドの移り変わりが速い、若年層中心 | 音楽、エンタメ、チャレンジ企画(バイラル狙い) |
YouTube | 長尺動画、情報量が豊富、ファンが定着しやすい | レビュー動画、ハウツー動画、チュートリアル(深い理解促進) |
コスト・運用体制の違い
施策を実行する上で必要となるコスト構造や社内の運用体制も、両者で異なります。
SNSマーケティングは、広告費やコンテンツ制作費、運用人件費などが継続的に発生します。
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーへの依頼料が主なコストとなり、施策ごとにスポットで発生することが多いのが特徴です。
どちらも専門的な知識が求められるため、適切な人材の配置や外部パートナーとの連携が重要になります。
項目 | SNSマーケティング | インフルエンサーマーケティング |
---|---|---|
主なコスト項目 | 広告費、コンテンツ制作費、ツール利用料、人件費(運用代行費) | インフルエンサーへの依頼料、ギフティング費用、代理店手数料 |
費用の変動要因 | 広告出稿量、競合状況 | インフルエンサーのフォロワー数、影響力 |
必要な運用体制 | 企画、制作、投稿、広告運用、分析の各担当 | インフルエンサー選定、交渉、進行管理の各担当 |
SNSマーケティングのコストと体制
SNSマーケティングのコストは、主に「広告費」「コンテンツ制作費」「人件費」の3つで構成されます。
広告費は、どれくらいのターゲットにリーチしたいかによって大きく変動し、予算に応じて柔軟に調整が可能です。
コンテンツ制作費には、写真や動画の撮影費、デザイン費などが含まれます。
これらを社内で運用する場合は担当者の人件費が、外部の代理店に委託する場合は運用代行費が継続的に発生します。
運用体制としては、戦略立案からコンテンツ企画・制作、日々の投稿管理、コメント対応、広告運用、レポーティング・分析まで、幅広いスキルを持つチームが必要となります。
インフルエンサーマーケティングのコストと体制
インフルエンサーマーケティングのコストの中心は、インフルエンサーへの依頼料(報酬)です。
この費用は、インフルエンサーのフォロワー数やエンゲージメント率、専門性、影響力の大きさによって大きく異なり、数万円から数百万円以上まで様々です。
報酬の他にも、紹介する商品の提供(ギフティング)にかかる費用や、インフルエンサー事務所(プロダクション)や専門の代理店を介して依頼する場合は、仲介手数料やディレクション費用が発生します。
運用体制としては、施策の目的に合ったインフルエンサーを探し出す選定スキル、報酬や投稿内容を交渉・調整するディレクション能力、そして投稿の効果を測定する分析能力が求められます。
効果測定・KPIの違い
施策の成果をどのように測るか、という点でも違いがあります。
SNSマーケティングでは、投稿がどれだけ見られ、どれだけ反応があったか、といったリーチやエンゲージメントに関する量的指標が重視されます。
一方、インフルエンサーマーケティングでは、投稿の質や、それがどれだけ購買に繋がったかといった、よりコンバージョンに近い指標や費用対効果が重要視される傾向にあります。
項目 | SNSマーケティング | インフルエンサーマーケティング |
---|---|---|
主なKPI | インプレッション、リーチ、エンゲージメント率、フォロワー増減数 | エンゲージメント数、UGC数、クーポン利用率、指名検索数 |
測定の焦点 | 認知の広がり、ファンの反応 | 投稿の質、購買への貢献度 |
分析ツール | 各SNSの公式インサイト、外部の分析ツール | 専用分析ツール、代理店のレポート |
SNSマーケティングの主なKPI
SNSマーケティングの効果測定では、目的に応じて様々なKPI(重要業績評価指標)が設定されます。
認知拡大が目的であれば、投稿が表示された回数を示す「インプレッション数」や、投稿を見たユニークユーザー数を示す「リーチ数」が重要な指標です。
ファン育成の度合いを測るには、投稿に対するいいね、コメント、保存などの反応の割合を示す「エンゲージメント率」や、「フォロワー数の増減」を追います。
さらに、自社サイトへの誘導や商品購入を目的とする場合は、投稿内のリンクの「クリック数」や「コンバージョン数」も測定します。
これらのデータは、各SNSが提供する無料の分析機能(インサイトなど)で確認することができます。
インフルエンサーマーケティングの主なKPI
インフルエンサーマーケティングでは、単純なリーチ数だけでなく、その投稿がどれだけ質の高い反応を生んだかが重視されます。
そのため、いいねやコメントの総数である「エンゲージメント数」は基本的なKPIとなります。
さらに、インフルエンサーの投稿をきっかけに、他のユーザーが自発的に商品に関する投稿を行う「UGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出数」も重要な成果指標です。
購買への貢献度を直接測るためには、インフルエンサーごとに専用のクーポンコードやアフィリエイトリンクを発行し、その「利用率」や「売上金額」を計測します。
また、施策後にブランド名や商品名の「指名検索数」がどれだけ増加したか、といった間接的な効果も評価の対象となります。
KPIの設計や効果測定の方法はインフルエンサーマーケティングの効果測定に詳しく解説しています。
両者に共通する指標と注意点
最終的にどちらの施策も、企業の売上やブランド価値向上といったビジネスゴールに貢献することが目的です。
そのため、「ウェブサイトへのトラフィック(流入数)」や「コンバージョン数(購入、問い合わせなど)」は、両者に共通する重要な最終指標となり得ます。
注意点としては、目先の数字だけにとらわれないことです。
特に、ブランドの好感度向上やファンの育成といった成果は、すぐには数字に表れにくいものです。
施策の目的に合わせて短期的なKPIと長期的なKPIをバランス良く設定し、継続的に効果を測定していく視点が不可欠です。
項目 | 内容 |
---|---|
共通指標の例 | ウェブサイト遷移数、コンバージョン数、ブランドリフト調査の結果 |
KPI設定時の注意点 | 施策の目的(認知、購買促進など)とKPIを明確に紐付ける |
分析の視点 | 短期的な成果と、ブランド資産への貢献という長期的な成果の両面から評価する |
SNSマーケティングとインフルエンサーマーケティングの効果的な組み合わせ方
SNSマーケティングとインフルエンサーマーケティングは、対立するものではなく、組み合わせることで大きな相乗効果が期待できます。
企業の「公式な情報発信」と、インフルエンサーによる「信頼性の高い口コミ」を戦略的に連携させることで、ユーザーの認知から購買までのプロセスを強力に後押しすることが可能です。
特に新商品のローンチや大規模なキャンペーンの際に、この組み合わせは絶大な効果を発揮します。
認知獲得と信頼性アップを両立させる
効果的な組み合わせ方の一つは、それぞれの役割を明確に分けることです。
まず、キャンペーン開始時や新商品発売時に、SNS広告を広く配信して多くのユーザーに情報を届けます(認知獲得)。
広告で商品を知ったユーザーが興味を持ち始めたタイミングで、複数のインフルエンサーに実際に商品を使用してもらい、リアルな感想や使い方を投稿してもらいます(信頼性アップ)。
企業からの広告で「知る」という体験と、信頼するインフルエンサーの投稿で「欲しくなる」という体験を連続して提供することで、ユーザーの購買意欲をスムーズに高めることができます。
このように、カスタマージャーニーの各段階で最適なアプローチを設計することが重要です。
キャンペーンで拡散力を最大化する
ユーザー参加型のキャンペーンを企画する際、両者を組み合わせることで拡散力を飛躍的に高めることができます。
まず、企業が公式アカウントでハッシュタグキャンペーン(例:「#〇〇のある生活」)を告知し、参加を呼びかけます(SNSマーケティング)。
同時に、複数の人気インフルエンサーに先行してキャンペーンに参加してもらい、魅力的なお手本となる投稿をしてもらいます(インフルエンサーマーケティング)。
インフルエンサーの投稿を見たフォロワーが「自分もやってみたい」「これならできそう」と感じ、次々とキャンペーンに参加することで、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が爆発的に増加します。
これにより、企業の発信だけでは到底なし得ない、大きな話題化とオーガニックな情報の広がりを生み出すことが可能になります。
データに基づき最適化を図る
両施策を組み合わせて実施する際は、それぞれの効果を個別に測定し、データに基づいて改善していくことが成功の鍵です。
例えば、SNS広告経由とインフルエンサーの投稿経由で、どちらがウェブサイトへのクリック率やコンバージョン率が高いかを比較分析します。
また、どのインフルエンサーの投稿が最もエンゲージメントを獲得したか、どの広告クリエイティブが最も効果的だったかを詳細に把握します。
こうしたデータを蓄積・分析することで、「どのターゲット層には広告が有効で、どの層にはインフルエンサーが響くのか」といった知見が溜まります。
その結果に基づき、次回の施策では予算配分を最適化したり、より相性の良いインフルエンサーを起用したりと、PDCAサイクルを回していくことが重要です。
まとめ
SNSマーケティングとインフルエンサーマーケティングは、発信主体、目的、アプローチ手法など多くの点で異なります。
SNSマーケティングは、企業が主体となり、広告などを活用して広く認知を獲得し、ファンを育成するのに適しています。
一方、インフルエンサーマーケティングは、第三者の信頼性を借りて、特定のターゲット層の購買意欲を直接的に刺激するのに優れています。
どちらか一方を選ぶのではなく、自社の目的や商材、ターゲットに応じて両者を使い分け、さらには戦略的に組み合わせることが、現代のSNS時代で成果を最大化するための鍵となるでしょう。
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