リダイレクトチェーンとは?SEOへの影響から解消方法まで徹底解説

リダイレクトチェーンとは?リダイレクトチェーンの問題と解決策

リダイレクトチェーンとは、本来1回のリダイレクトで済むはずの転送が、複数のURLを経由して最終的なページにたどり着く状態を指します。

チェーンが長くなるとクローラーの負担が増し、ユーザー体験も損なわれるため、SEO上の評価を下げる要因にもなります。本記事ではリダイレクトチェーンの基本から原因、解消方法、予防策まで詳しく解説します。

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目次

リダイレクトチェーンの基礎知識

リダイレクトチェーンは、一度や二度のリダイレクトでは大きな影響がなくとも、複数回重なるとサイト全体にデメリットが波及するリスクがあります。

まずはチェーンの仕組みを正しく理解しておくことで、不用意にリダイレクトが増えるのを防ぎ、検索エンジンやユーザーへの悪影響を回避することが重要です。

リダイレクトチェーンの基礎知識
  • リダイレクトチェーンの定義
  • リダイレクトループとの違い

リダイレクトチェーンの定義

リダイレクトチェーンとは、アクセスしたURL(例:A)が別のURL(B)へ、さらにBがCへ、CがDへ……というように複数回リダイレクトが連続する状態を指します。通常、リダイレクトはサイトの構造変更やページ移動時にユーザーや検索エンジンを正しいページへ誘導するために使われます。

しかし、チェーンが形成されると、検索クローラーが余分な経路をたどる必要が生じ、クローリングコストが増大します。ユーザーも複数回の転送を経るため、ページが表示されるまでの待ち時間が長くなりがちです。とくにモバイルや回線速度が遅い環境では、離脱率が高まる原因にもなります。したがって、リダイレクトは最小限に抑え、可能な限り直接目的ページへ転送するのが望ましいとされます。

リダイレクトループとの違い

リダイレクトチェーンに似た問題として「リダイレクトループ」があります。チェーンの場合は「A→B→C→D」のように転送が複数回続くものの、最終的には目的ページへ到達できます。一方、ループは「A→B→A」のように行き先が再び元のURLを参照してしまい、転送が無限に繰り返される状態です。

ループが発生すると、ユーザーや検索クローラーはいつまで経っても最終ページを表示できず、ブラウザのエラーメッセージや無限ロードになるなど深刻な支障をきたします。チェーンはUXやクローラビリティの低下が主な問題ですが、ループはページそのものが閲覧不能になるため、サイトの評価にも大きなマイナスとなります。両者は似て非なる現象なので、早期に見分けて適切な対処を行いましょう。

参考:リダイレクトループとは?その原因とすぐにできる対処法

リダイレクトチェーンはなぜ起こる?主な原因

リダイレクトチェーンが発生する背景には、誤った設定やCMSの仕様、古いリダイレクトの放置など、さまざまな要素が絡み合っています。原因を正確に特定しておかないと、修正時に同じミスを繰り返してしまうこともあります。以下で主な原因を見ていきましょう。

リダイレクトチェーンはなぜ起こる?主な原因
  • 誤ったリダイレクト設定
  • CMSやプラグインの設定不備
  • 過去のリダイレクト残存やURL変更の履歴

誤ったリダイレクト設定

もっとも多いケースは、意図したURLではなく別のURLへもリダイレクトが設定されてしまっているパターンです。たとえばAからBへリダイレクトするつもりが、BがさらにCへ転送する設定になっていると、結果的にA→B→Cというチェーンが生成されます。

また、サイトリニューアルやページの統廃合を一度にまとめて行う際、複数のURLを大雑把に転送先へ振り分けた結果、意図せずチェーンを生じさせることも少なくありません。こうした誤設定を放置すると、クローラーにもユーザーにも負担が増え、サイト全体のパフォーマンスを下げる原因になります。

CMSやプラグインの設定不備

WordPressなどのCMSを使っている場合、リダイレクト系プラグインが自動で転送先を生成していることがあります。プラグイン同士の競合や手動で設定したリダイレクトとの重複が起こると、気づかないうちにチェーン化が進行する可能性があります。

特に更新頻度の高いプラグインは、アップデートで仕様が変わった際に既存のリダイレクトと噛み合わず、新たな転送経路を作り出す恐れも。プラグインの挙動をしっかり把握し、定期的に確認・調整することが重要です。

過去のリダイレクト残存やURL変更の履歴

大規模サイトや長期運営サイトの場合、過去のリダイレクト設定が複数残っているケースがよくあります。何度かリニューアルを重ねるうちに、旧URL→中間URL→新URLという転送が何重にも設定されてしまうことが典型です。

また、一時的に設定したリダイレクトを削除し忘れ、さらに新しいリダイレクトを追加することで意図せずチェーンが生成されることもあります。サーバーやCMSの設定ファイルに古いルールが埋もれていないか、定期的に洗い出すことが大切です。

リダイレクトチェーンがSEO・UXに与える影響

リダイレクトチェーンは、クローラーの巡回効率を下げたり、被リンク評価を目減りさせたり、ページ表示速度を遅らせるなど、多方面にマイナスのインパクトをもたらします。ユーザー満足度の低下にもつながるため、放置は禁物です。以下で具体的な影響を解説します。

リダイレクトチェーンがSEO・UXに与える影響
  • クロール予算(クロールバジェット)の浪費
  • リンクエクイティ(リンクジュース)の減少
  • ページ読み込み速度の低下
  • ユーザーエクスペリエンスの悪化
  • リダイレクトループ発生のリスク

クロール予算(クロールバジェット)の浪費

検索エンジンがサイトをクロールできる範囲は無限ではなく、「クロールバジェット」と呼ばれる上限が存在します。リダイレクトチェーンが多いと、クローラーが最終ページに到達するまでに余分なURLを何度もたどるため、結果的にクロール可能なURLの総数が減少する恐れがあります。

これは特に大規模サイトで深刻な問題となり、重要なページがクローリングされにくくなったり、インデックス速度が落ちる原因にもなります。

リンクエクイティ(リンクジュース)の減少

被リンクを通じた評価(リンクジュース)は、リダイレクトを経由するたびに少しずつ分散あるいは減衰すると考えられています。たとえ301リダイレクトでも、チェーンが長くなるほど評価のロスが大きくなるリスクがあります。

最終ページが本来得られるはずの被リンク効果をフルに享受できず、検索順位の向上を阻害する要因となりかねません。特に競合が激しいキーワードで上位表示を狙う場合、リンクエクイティの損失は看過できない問題です。

参考:リンクエクイティとは?リンクエクイティの重要性と活用方法

ページ読み込み速度の低下

リダイレクトは一度起こるごとにHTTPリクエストとレスポンスのやり取りが発生します。チェーンが複数段階にわたると、ユーザーが最終ページを閲覧できるまでに余計な待ち時間が挟まるため、ページ表示速度が低下しやすくなります。

ページスピードはユーザーの離脱率に直結するだけでなく、Googleなどの検索エンジンが重要視する評価要因の一つでもあります。転送のたびに通信時間を消費するため、チェーンはサイトパフォーマンスの大敵といえます。

ユーザーエクスペリエンスの悪化

リダイレクトチェーンが多段階になると、ユーザーが「いつまで待てばページが表示されるのか?」というストレスを感じやすくなります。URLバーに表示されるアドレスが次々と変わることで不安を煽り、戻るボタンを押したり他サイトに移動してしまう人も出てくるでしょう。

ユーザーにとってスムーズに目的のページへ到達できないサイトは、再訪問の可能性を下げる原因にもなります。ユーザー体験の向上を重視するなら、リダイレクトを最小限に抑えることが不可欠です。

リダイレクトループ発生のリスク

チェーンが増えると転送先の管理が複雑になり、誤った設定でリダイレクトループが生じるリスクも高まります。一度ループが発生すると、ブラウザは無限にリダイレクトを繰り返してページを表示できなくなり、ユーザーにとっては事実上サイトが閲覧不能となります。

検索エンジンも正しくクロールできず、インデックスがストップするなど深刻なダメージを招きます。チェーンの放置はこうした大きなトラブルの火種になりうるため、早期発見と修正が肝心です。

リダイレクトチェーンを検知する方法

リダイレクトチェーンを解消するには、まず発生箇所を正確に特定する必要があります。専用のSEOツールや開発者ツール、サーバーログ、Google Search Consoleなどを活用することで、チェーンの存在を早期に把握し、対策を講じやすくなります。

リダイレクトチェーンを検知する方法
  • SEOツールやリダイレクトチェックツールを活用
  • ブラウザの開発者ツールで確認
  • サーバーログや.htaccessファイルの確認
  • Google Search Consoleで監視

SEOツールやリダイレクトチェックツールを活用

Screaming Frog SEO SpiderやSitebulbなどのSEOクローラーツールは、サイト全体をクロールした結果を一覧表示し、リダイレクト状況を可視化してくれます。どのURLが何回リダイレクトを経て最終ページに到達しているのか、ステータスコードとともに詳細に確認可能です。

また、無料のオンラインリダイレクトチェッカーを利用すれば、特定のURLだけ簡単に検証できるため、ピンポイントで問題を見つける際に便利です。

ブラウザの開発者ツールで確認

ChromeやFirefoxなどのブラウザには、ネットワークタブを含む開発者ツールが標準で搭載されています。アクセスした際のリクエストとレスポンスをリアルタイムにチェックできるため、どのURLを経由してリダイレクトが行われているのかが一目瞭然です。

リダイレクトの種類(301、302など)やHTTPヘッダーの内容も確認できるため、意図しない転送が行われている場合の原因特定に役立ちます。

サーバーログや.htaccessファイルの確認

サーバーレベルでリダイレクトを設定している場合、Apacheでは.htaccess、Nginxではconfファイルなどに転送ルールが記載されていることが多いです。これらのファイルを直接確認すれば、どのURLがどのページにリダイレクトされているかを正確に把握できます。

また、サーバーログを解析すると、実際のリクエストの流れが履歴として残っているため、複雑なチェーンやループの存在に気づきやすくなります。

Google Search Consoleで監視

Google Search Consoleは、サイトのクロール状況やインデックスステータスを随時把握できる公式ツールです。インデックスカバレッジレポートや「URL検査」機能を使えば、想定外のリダイレクトやエラーがないかをチェックできます。

とくにリダイレクトループなどでページが正常に表示されない場合、エラーとして検出されることが多いので、定期的にレポートを確認して問題を早期発見する体制を整えましょう。

リダイレクトチェーンを修正・解消する方法

リダイレクトチェーンを見つけたら、できるだけ速やかに修正し、不要な転送経路を取り除くことが大切です。まずは現状のチェーン状況をリストアップし、最短ルートに統合。古い設定を削除したら、テストを行って正しく動作しているかを確認する流れがおすすめです。

リダイレクトチェーンを修正・解消する方法
  • 現状のリダイレクトチェーンをリストアップ
  • 最短ルートへのリダイレクト設定に変更
  • ルールの更新・古い設定の削除
  • テストとモニタリング

現状のリダイレクトチェーンをリストアップ

チェーンを解消する第一歩は、サイト内でどのURLからどのURLへリダイレクトされているかを把握することです。先述のツールやブラウザのネットワークタブを使い、「A→B→C」形式で一覧表にまとめてみましょう。

複数のチェーンが絡み合っているケースもあるため、ページ単位で整理するのが重要です。下記のようにスプレッドシートや表を使えば、後の修正作業もスムーズに進みます。

旧URL転送先URLステータスコード最終到達URL
AB301C
BC302D

最短ルートへのリダイレクト設定に変更

チェーンを解消する際は、可能な限り直接最終ページへ転送する形に修正します。A→B→Cという流れがあれば、A→Cへ一本化するのがベストです。恒久的な移転であれば301を使用し、SEO評価をできるだけ引き継ぎましょう。

変更後は必ず手動またはツールを活用して、思わぬ転送先の間違いがないかチェックします。複数ページをまとめて修正する場合も、一括設定の際に誤差が生じないよう注意が必要です。

ルールの更新・古い設定の削除

チェーンを解消できたとしても、過去に設定された不要なリダイレクトルールを放置しておくと、再びチェーンやループを生み出すリスクがあります。たとえば.htaccessファイルやサーバー設定ファイル、プラグインの設定画面などを再確認し、古いルールや重複しているルールを整理しましょう。

リニューアル履歴が多いサイトほど、時代遅れのリダイレクトが積み重なっているケースがあるため、定期的にメンテナンスすることが大切です。

テストとモニタリング

修正後は、本当にチェーンが解消されたかテストするステップが欠かせません。ブラウザやSEOクローラーツールで再度URLをチェックし、複数回のリダイレクトが発生していないかを確認しましょう。Search Consoleのエラー表示を追うのも効果的です。

また、一度修正してもサイトの更新やプラグインのアップデートなどで設定が変化する可能性はあります。定期的に監査やテストを続け、再発防止に努めましょう。

リダイレクトチェーンを未然に防ぐポイント

チェーンは一度発生すると修正に手間がかかるため、日頃から防止策を講じておくことが肝心です。URL構造のシンプル化やリニューアル時の適切な設計、CMSやプラグインの監視、定期的なサイト監査ツールの利用などを徹底することで、チェーン発生を最小限に抑えられます。

リダイレクトチェーンを未然に防ぐポイント
  • URL構造をシンプルに保つ
  • リニューアル時の計画的なリダイレクト設計
  • CMSやプラグインの設定監視
  • 定期的なサイト監査ツールの利用

URL構造をシンプルに保つ

階層が深いURLや複雑なパラメータ構成は、変更時にリダイレクトが増えやすい原因となります。なるべく短くわかりやすいURL設計を心がければ、転送先が増えてチェーンが形成されるリスクを減らせます。さらに、ユーザーにも覚えやすく、SNSなどでシェアした際にもURLが見やすくなるなど、メリットは多岐にわたります。

URLを変更する必要が生じた場合も、あらかじめシンプルな構造にしておけば、修正範囲が限定的ですむので負担を軽減できます。

リニューアル時の計画的なリダイレクト設計

サイトリニューアルや大規模なURL変更を行う場合、旧URLと新URLの対応関係を事前に整理しておくことが不可欠です。ステージング環境でテストを行い、チェーンが起きていないか確認してから本番へ反映するのが望ましいでしょう。

一気に大量の転送を設定する際こそ、丁寧な管理が求められます。リニューアル後も一時的にアクセスが集中する可能性が高いため、チェーンによるユーザー離脱を防ぐためにも、リダイレクトルールは計画的に整備しておくことが重要です。

CMSやプラグインの設定監視

WordPressなどでリダイレクト系プラグインを導入している場合、アップデートや設定変更のタイミングで予期せぬリダイレクトが発生するリスクがあります。特に複数のプラグインを組み合わせていると、互いの設定が干渉してしまう可能性も。

定期的にプラグインの更新情報や公式ドキュメントをチェックし、不具合が生じていないか監視しましょう。不要になったプラグインを放置すると新たなトラブルの温床になることもあるので、使っていない機能はオフにするなど管理を徹底します。

定期的なサイト監査ツールの利用

チェーンは運用の中で徐々に発生することが多いため、定期的にサイト監査ツールやクローラーを回して状態をチェックするのが有効です。エラーレポートやリダイレクトレポートを確認すれば、チェーンが増え始めた時点で素早く対処できます。また、自動レポート機能のあるツールを使えば、異常検知時にメール通知を受け取れるので、忙しい運営者でも見落としを防ぎやすくなります。継続的な監査はSEOだけでなく、サイト品質の向上にも役立ちます。

リダイレクトチェーンに関してよくある質問

リダイレクトチェーンに関して多く寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。許容回数やループとの簡単な判別方法、302や307など一時的なリダイレクトがSEOに与える影響など、運用の現場で押さえておきたいポイントを解説します。

リダイレクトチェーンは何回まで許容される?

厳密に「何回まで」という公式指標はありませんが、一般的には1~2回のリダイレクトであれば大きな問題になりにくいといわれます。

しかし、それ以上にチェーンが長くなるとクローラーの負担が増大し、ページ速度の低下やリンクエクイティの損失が顕著になるため、SEOに悪影響を及ぼすリスクが高まります。

検索エンジンも明確な上限を公表していませんが、極力1回のリダイレクトで済むように設計し、不要な中継ページを作らないことがベストプラクティスとされています。

リダイレクトループとチェーンを簡単に見分ける方法は?

リダイレクトチェーンは最終的に目的ページに到達できるのに対し、ループはアクセスが無限に繰り返されてページが表示されないという点で大きく異なります。

ブラウザでURLを直接入力した際、何度か転送の後にページが表示されればチェーン、ずっと読み込み中のままかエラー画面になるならループが発生していると判断できます。

また、Screaming Frog SEO Spiderなどのツールを使えば、転送経路を可視化してループの有無を確認できます。

302や307などの一時的リダイレクトもSEOに影響するの?

302や307は「一時的な移転」を示すステータスコードですが、これらも何度もチェーンが連続すればクローラーの負担やユーザーの待ち時間が増える点は301と変わりません。

さらに、一時的リダイレクトの場合、検索エンジンは「元のページが正式なURL」と判断しがちなため、ページ評価が分散される可能性があります。

長期間にわたって302リダイレクトを放置すると実質的には301同様の問題を引き起こすため、必要がなくなった時点で301に切り替えるかリダイレクト自体を削除することを検討しましょう。

まとめ

リダイレクトチェーンは、設定ミスや古いルールの積み重ねなど些細な要因から発生し、SEOやUXに大きな影響を与えます。まずは状況を正しく把握し、最短ルートへの転送に変更・不要ルールの整理・テストを行うことで解消が可能です。

日頃からURL構造の見直しやツールを活用した定期監査を実施し、チェーンを未然に防ぎ、ユーザーと検索エンジンの両面で評価されるサイト運営を目指しましょう。

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