インフルエンサーマーケティングを成功させるうえで重要なのが、施策を通じて達成したい目的と、それを測るための指標(KPI/KGI)を明確化することです。やみくもにインフルエンサーを起用しても、何をゴールとするかが曖昧では、適切なインフルエンサー選定やコンテンツ戦略を組み立てるのが難しくなります。
そこで本記事では、インフルエンサーマーケティングで押さえておきたい代表的な目的やKPI/KGIの種類、具体的な指標設定の方法、さらに効果測定のポイントまでを解説します。明確な目標設定と数値管理で、施策の成果を最大化しましょう。
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インフルエンサーマーケティングの目的設定
インフルエンサーマーケティングを実施する際には、まず「何を達成したいのか」を定義することが大切です。認知度を高めたいのか、購買へとつなげたいのかによって、選ぶインフルエンサーやコンテンツの方向性が変わります。ここでは代表的な二つの目的を取り上げます。
認知度向上・ブランドイメージの確立
インフルエンサーマーケティングの代表的な目的の一つが、ブランドや商品の存在を広く知ってもらい、好印象を醸成することです。インフルエンサーはフォロワーとの距離が近く、情報拡散力が高いため、短期間で多くのユーザーへアプローチできます。
特にビジュアル要素が強いInstagramやTikTokを活用すれば、ブランドの世界観やイメージを直感的に訴求でき、投稿を見たユーザーに印象深い記憶を与えることが可能です。
また、インフルエンサー自身の個性や専門分野をうまく掛け合わせることで、宣伝臭を抑えつつ自然な形でブランドストーリーを伝える効果が期待できます。結果として、商品に対する興味を高め、ユーザーとの接触機会を増やす足がかりになるでしょう。
見込み顧客の獲得・購買促進
インフルエンサーマーケティングのもう一つの大きな目的は、具体的な売上や購入意欲の向上につなげることです。フォロワーから信頼されているインフルエンサーの投稿やレビューは、ユーザーの購買行動をダイレクトに後押しします。
例えば、URLを貼り付けて商品購入ページへ誘導したり、クーポンコードを配布して期間限定の割引を提供する手法は、実際の売上効果を測定しやすいという利点があります。
また、継続的なフォローアップや比較検討段階のユーザーを獲得するために、ウェビナーやキャンペーンの告知をインフルエンサーに行ってもらうなど、リード獲得の手段として活用することも可能です。購買行動に近い層をスピーディーに取り込める点は、インフルエンサーマーケティングの大きな魅力と言えます。
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インフルエンサーマーケティングの代表的なKPI/KGIの種類
目標を設定したら、それを数値化・可視化するための指標(KPI/KGI)を設定することが不可欠です。KPIは施策の進捗を測る中間指標であり、KGIは最終的なゴールを示します。両者をバランスよく設定することで、具体的な成果を把握できるようになります。
KPI(重要業績評価指標)
KPI(Key Performance Indicator)は、最終的な成果であるKGIに至るまでの過程を測る指標です。例えば、インフルエンサーマーケティングにおいては、投稿ごとのエンゲージメント(いいねやコメント、シェアの数など)が高いほど、ユーザーの関心度や反応の良さを示すと考えられます。
また、キャンペーンリンクのクリック数やQRコードの読み取り数なども、施策がどれだけ多くのユーザーを行動に導いたかを測る指標となります。KPIを追跡することで、どのインフルエンサーやどのコンテンツがより成果を上げているのかを比較分析でき、費用対効果の高い施策をピンポイントで見極めることが可能になります。
エンゲージメント率、クリック数、コンバージョン数など
KPIとして特に注目される指標として、エンゲージメント率、クリック数、そしてコンバージョン数が挙げられます。
- エンゲージメント率:フォロワー数に対して、いいねやコメントなどどれだけ反応があったかを示す指標。内容の質やターゲットとの相性を測るバロメーターとなります。
- クリック数:投稿やストーリーに設置したリンクがどれだけクリックされたかを示し、ユーザーがどれほど興味を持ち行動に移したかを測定します。
- コンバージョン数:商品購入や会員登録など、直接的な成果(アクション)をどれだけ促せたかを表す指標。KPIの中でも特に重要度が高く、売上やリード獲得など、ビジネス成果に近い目標達成度を確認できます。
KGI(最終目標)
KGI(Key Goal Indicator)は、施策の最終的な成功を判断するための指標です。インフルエンサーマーケティングの場合、売上や契約数など、ビジネス上の大きなゴールを測る数値が該当します。KGIを設定することで、最終的にどのレベルの成果を目指すかが明確になり、マーケティングチームや関連部署が共通認識を持ちやすくなります。
また、KPIとKGIを関連付けることで、途中経過(KPI)と最終成果(KGI)の因果関係を把握し、PDCAサイクルを回すうえでも役立ちます。例えば、インフルエンサーの投稿を増やしてエンゲージメント率が上がったとしても、最終的に契約数や売上につながらなければ評価しづらいため、KGIの設定は欠かせません。
売上、契約数、ブランド指名検索回数など
KGIとして最も分かりやすいのが売上や契約数の増加です。インフルエンサーマーケティングが直接的にビジネス成果へどれだけ貢献したのかを測る指標として、真っ先に確認されるでしょう。
- 売上:キャンペーン期間中や終了後、どの程度売上が増加したかを測定。
- 契約数:BtoB商材の場合は契約に至るまでのプロセスが長いですが、その数が増加すれば実施効果の高さを示せます。
- ブランド指名検索回数:Googleなどの検索エンジンで、ブランド名がどれだけ検索されたかを計測し、認知度向上の指標とするケースもあります。認知度と売上・契約数を総合的に判断することで、施策全体の成果をより正確に評価できるでしょう。
インフルエンサーマーケティングの指標設定の具体例
KPI/KGIを設定する際には、定量的かつ現実的な目標を掲げることが重要です。具体的な目標コンバージョン率の決め方や、キャンペーン期間中にどのように数値をトラッキング・比較すればよいのか、例を挙げて解説します。
目標コンバージョン率を設定する方法
コンバージョン率(CVR)は、広告や投稿を閲覧したユーザーのうち、実際に購入や登録などの行動を起こしたユーザーの割合を示す指標です。目標コンバージョン率を設定する際は、まず自社の過去データや業界平均を参照するのが定石です。例えば、過去のキャンペーンではCVRが3%だったなら、今回の施策では4%を目指すなど、実現可能な範囲で上方修正するのが望ましいでしょう。
また、インフルエンサーごとにユーザー層やエンゲージメントの特性が異なるため、複数のインフルエンサーを起用する場合は、それぞれ異なる目標値を設定する方法もあります。さらに、複数SNSを併用する場合は、媒体別にCVRを管理して、施策の優先度や予算配分を最適化することが重要です。
キャンペーン期間中のメトリクス比較
キャンペーンを実施する期間中は、日次や週次でメトリクスをこまめに確認し、必要に応じてアクションを調整することが大切です。例えば、キャンペーン開始後数日でクリック数やエンゲージメント率が予想よりも低い場合は、クリエイティブや投稿頻度、インフルエンサーとの連携内容を見直すサインと言えます。
逆に、特定のインフルエンサーによる投稿が大きな反響を呼んでいるのであれば、そのコンテンツを追加で広告配信したり、他のSNSに転用するといった施策を検討するのが有効です。キャンペーン終了後には、獲得したコンバージョン数や売上、検索数などを総合的に比較分析し、次回以降の施策に活かすPDCAサイクルを回しましょう。
インフルエンサーマーケティングの効果測定のポイント
インフルエンサーマーケティングの成果を正しく把握するためには、SNS分析ツールや広告ツールとの連携など、複数のデータソースを統合的に運用することが必要です。以下では、効果測定を行う際に押さえておきたいポイントを解説します。
SNS分析ツールの活用
SNSごとに提供される分析ツール(Instagram Insights、YouTube Studio、Twitterアナリティクスなど)を使えば、投稿のリーチ数やエンゲージメント、視聴維持率など、さまざまなデータを得られます。これらを活用することで、「どの時間帯の投稿が最も反応が良いか」「どのコンテンツフォーマットが高いエンゲージメントを獲得しているか」などを把握でき、施策の改善に役立ちます。
さらに、Googleアナリティクスや専用のトラッキングURLを用いれば、SNSから自社サイトへの流入経路や、最終的なコンバージョンまでの動線を詳細に分析することが可能です。こうしたツールを最大限活用することで、インフルエンサーマーケティングの成果を客観的に評価できます。
広告連携やリマーケティングとの統合分析
インフルエンサーマーケティングで獲得したリーチをさらに有効活用するには、広告連携やリマーケティング(リターゲティング)を組み合わせる手法が効果的です。例えば、インフルエンサーの投稿を見てサイトを訪れたユーザーを対象に、SNS広告やディスプレイ広告を出して再アプローチすれば、購買行動までの接触回数を増やすことができます。
また、サイト内で特定のページを閲覧したユーザーをリスト化し、継続的に広告配信することで、興味を持った見込み顧客の離脱を防ぎます。これらの取り組みを一元的に測定することで、インフルエンサーマーケティング単体では捉えきれない潜在効果を含めた、総合的な成果を可視化できるようになります。
まとめ
インフルエンサーマーケティングを成功させるには、まず目的を明確にし、それを測るためのKPIとKGIをしっかり設定することが欠かせません。
認知度やブランドイメージを高めたいのか、具体的な売上・購買促進を狙いたいのかによって、指標や施策の組み方は大きく変わります。KPIにはエンゲージメントやクリック数、コンバージョン数といった中間指標を設定し、最終的には売上や契約数といったKGIを達成できるかどうかが、施策全体の評価につながります。
また、SNS分析ツールや広告連携によるリマーケティングなどを組み合わせることで、より正確に効果を測定し、継続的な改善を行うことが可能です。目標を可視化し、数値で追いかけることで、インフルエンサーマーケティングの潜在力を最大限に引き出していきましょう。