インフルエンサーマーケティングは、SNS時代における効果的なプロモーション手法として注目を集めています。しかし、単にインフルエンサーを起用すれば成功するわけではなく、全体的なマーケティング戦略の中でどのように位置づけ、どんな目的で活用するのかが重要です。
本記事では、企業やブランドがインフルエンサーマーケティングを取り入れる際、どのような観点で戦略を立案し、社内外のステークホルダーと連携して成果を高めるかについて解説します。
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はじめに
全体戦略の一部としてインフルエンサーマーケティングを考える際、まずは「自社が達成したいゴールは何か」を明確にすることが欠かせません。認知度向上や売上拡大、ブランドイメージの確立など、目標によって施策やタイミングが変わってきます。ここでは、マーケティング全般の視点からインフルエンサー施策をどのように位置づけるかを整理します。
マーケティング戦略全体におけるインフルエンサーマーケティングの位置づけ
企業が自社の商品やサービスを市場に浸透させるには、まずマーケティング戦略を包括的に考えることが基本です。従来はマスメディアや自社サイト、広告などを中心としたプッシュ型の施策が多かった一方、SNSの普及により消費者が能動的に情報を取得し、口コミやレビューを参考にする行動様式が主流になりました。
インフルエンサーマーケティングは、そうした「個人の信頼や共感」をベースとした施策であり、既存のプロモーションの隙間を埋めたり、新たなアプローチ手段として有効です。たとえば、マス広告やSEO対策で広く露出を獲得しつつ、インフルエンサーの個性的な発信を組み合わせることで、消費者の心により深く訴求できます。
このように、マーケティング戦略の中でインフルエンサーを適切に位置づけることが、成果を最大化するカギとなるのです。
ブランド・プロダクトライフサイクルとの関係
ブランドや商品には、それぞれ導入期、成長期、成熟期、衰退期といったライフサイクルのステージが存在します。たとえば、新商品がまだ知名度の低い導入期には、認知度拡大を重視したインフルエンサー施策が効果的です。話題性や拡散力が求められるため、フォロワー数の多いマクロインフルエンサーとのコラボで一気に知名度を上げる手段が有効でしょう。
一方、成熟期にあるブランドでは、より専門性やコミュニティとの深い関係性を重視するマイクロインフルエンサーが適しているケースがあります。すでに一定の認知度があるため、購買意欲の高いファン層に向けてより質の高い情報を提供することで、ロイヤルティを強化できるのです。
このように、ブランド・プロダクトのライフサイクルを見極めながら、各段階に合ったインフルエンサー施策を組み込むことが成功の秘訣と言えます。
インフルエンサーを活用する目的とタイミング
インフルエンサーを起用する際、狙うべき目的や施策のタイミングを誤ると、費用対効果が低くなりかねません。ここでは、認知獲得やブランド強化、売上拡大など、それぞれの目標に応じた適切な時期や、他のマーケティング施策との併用メリットを紹介します。
認知獲得・ブランド強化・売上拡大など、それぞれに適した施策タイミング
インフルエンサーマーケティングを活用する目的は、大きく分けて「認知獲得」「ブランド強化」「売上拡大」の3つに整理できます。認知獲得を狙う場合は、新商品や新サービスのローンチ時期が最適です。拡散力のあるインフルエンサーを選定し、一気に話題を作ることで短期間での認知度向上を期待できます。
ブランド強化を目指すなら、ブランドの世界観や価値観をしっかり理解しているインフルエンサーとの長期的なパートナーシップを築く方が効果的です。そして、売上拡大では購買意欲の高いフォロワーが多いインフルエンサーを選定し、プロモーションコードや限定キャンペーンを組み込む手法がよく見られます。
いずれも、既存のマーケティング施策とのタイミングを揃え、イベントや広告との相乗効果を狙うことが成功のポイントです。
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他チャネル(広告・PR・イベント)との連動メリット
インフルエンサー施策を単体で行うのではなく、広告やPR、イベントなどの他チャネルと連動させると、より大きな効果を得られます。たとえば、新商品の発表会(オフラインイベント)にインフルエンサーを招待し、その様子をSNSで拡散してもらうことでオンライン・オフラインの両面から認知拡大が可能です。
また、テレビCMなどのマス広告で商品を目にした消費者が、SNS上でインフルエンサーの投稿を見かけると「馴染みやすさ」や「親近感」を覚えることがあります。さらに、PR活動との連動では、インフルエンサーからの生の声とメディア報道が組み合わさり、消費者への信頼度を高める効果が期待できます。このように、多角的な施策を組み合わせることで、インフルエンサー施策による拡散力を最大限に活かすことができるのです。
インフルエンサーを戦略全体に統合するポイント
インフルエンサーマーケティングを効果的に実行するには、社内だけでなく、エージェントやインフルエンサー本人との連携、さらには経営目標との整合性を図る必要があります。ここでは、組織体制と目標管理の2つの観点から押さえておきたいポイントを解説します。
社内外ステークホルダーとの連携体制
インフルエンサーマーケティングは、単に広報・宣伝部署だけの仕事ではありません。商品のスペックやセールスポイントを正確に把握している開発部門、ブランドイメージを総合的に管理するマーケティング部署など、社内の複数部署と連携が必要です。
また、インフルエンサー事務所やプロダクション、エージェントとの折衝もスムーズに行うために、担当者の役割分担を明確化することが重要です。さらに、インフルエンサー本人とのコミュニケーション不足がトラブルの原因になりやすいため、施策の意図やターゲット像を丁寧に共有し、ブランドメッセージがブレないようにサポートしていく体制を整えましょう。
各ステークホルダーが一丸となって取り組むことで、インフルエンサー施策の効果を最大限に引き出すことができます。
経営目標やプロジェクト目標との紐づけ
インフルエンサーマーケティングを成功させるには、プロジェクト単体の成果だけでなく、経営目標や事業計画全体との整合性を意識することが大切です。たとえば、年度末までに売上高を一定割合伸ばすことが企業としての目標であれば、インフルエンサー施策も売上拡大にコミットする形でKPIを設定し、成果を定期的に検証する必要があります。
また、新ブランドの認知度向上を狙う場合は、SNSフォロワー数やエンゲージメント率といった指標を中間目標に据え、最終的には市場調査によるブランド認知度の向上度合いを追跡するなど、段階的なモニタリングを行いましょう。プロジェクトの各ステップと経営レベルの目標が紐づいていれば、インフルエンサー活用が「単なるPR施策」にとどまらず、事業の成長エンジンとして期待できます。
まとめ
全体戦略の中でインフルエンサーを活用するには、まずマーケティングの大枠を把握し、ブランドや商品が置かれているライフサイクルのステージを見極めることが重要です。認知拡大を狙うのか、ブランド価値を高めるのか、あるいは直接売上を伸ばすのかといった目的に応じて、最適なタイミングやインフルエンサーのタイプは変わってきます。
また、インフルエンサー施策を効果的に運用するには、他チャネルとの連動や社内外のステークホルダーとの連携が不可欠です。最終的には経営目標とインフルエンサー施策をしっかり紐づけ、PDCAを回しながら継続的に改善していくことで、単なる一時的な話題づくりではなく、長期的なブランド成長とビジネス成果をもたらすインフルエンサーマーケティングを実現できるでしょう。