オウンドメディアと他メディアとの違い
現代のマーケティングでは、オウンドメディアを中心に、広告やSNSなど他のメディアと連携させることが非常に重要です。
それぞれのメディアには異なる役割と特徴があり、それらを理解することで、より効果的な情報発信戦略を立てることが可能になります。
本記事では、マーケティングのフレームワークである「PESOモデル」を用いて、オウンドメディアと他メディアの違いを分かりやすく解説していきます。
PESOモデルとは?
PESOモデルとは、現代のマーケティングで活用されるメディアを「Paid(ペイド)」「Earned(アーンド)」「Shared(シェアード)」「Owned(オウンド)」の4種類に分類したフレームワークのことです。
それぞれのメディアの頭文字を取って「PESO」と呼ばれています。
これらのメディアは独立しているのではなく、相互に連携し合うことで相乗効果を生み出し、マーケティング効果を最大化することができます。
各メディアの特性を理解し、自社の目的に合わせて適切に組み合わせることが成功の鍵となります。
メディアの種類 | 概要 |
---|---|
Paid Media(ペイドメディア) | 費用を支払い広告を掲載するメディア |
Earned Media(アーンドメディア) | 第三者からの信頼や評判を獲得するメディア |
Shared Media(シェアードメディア) | SNSなどで情報を共有・拡散するメディア |
Owned Media(オウンドメディア) | 自社で所有・運営するメディア |
トリプルメディアとの違い
トリプルメディアとは、PESOモデルが登場する以前から利用されていたフレームワークです。
これは「ペイドメディア」「アーンドメディア」「オウンドメディア」の3つのメディアで構成されていました。
しかし、FacebookやX(旧Twitter)といったSNSの急速な普及により、ユーザー同士が情報を共有・拡散する「シェアードメディア」の重要性が飛躍的に高まりました。
この変化に対応するため、トリプルメディアにシェアードメディアの概念を加え、より現代のメディア環境に適合させたものがPESOモデルです。
つまり、PESOモデルはトリプルメディアの進化版と位置づけることができます。
ペイドメディアとは
ペイドメディアとは、企業が費用を支払って広告を掲載するメディアのことです。
代表的なものに、リスティング広告やSNS広告、テレビCM、新聞広告などがあります。
最大のメリットは、多額の費用をかけることで、短期間で多くのターゲットユーザーに情報を届けられる点です。
新商品やキャンペーンの告知など、即効性を求める場合に特に有効な手段となります。
一方で、広告出稿を停止するとユーザーとの接点も失われてしまうというデメリットもあります。
リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、記事広告、テレビCM、新聞広告など。
オウンドメディアとの違い
ペイドメディアは短期的な認知拡大や販売促進を目的とする一方、オウンドメディアは長期的な顧客との関係構築やブランディングを目指します。
コスト面では、ペイドメディアは即効性がある分、継続的な費用が発生します。
対してオウンドメディアは、初期構築やコンテンツ制作にコストはかかりますが、一度作成したコンテンツは自社の資産として蓄積されていきます。
項目 | ペイドメディア | オウンドメディア |
---|---|---|
目的 | 短期的な認知獲得、販売促進 | 長期的な顧客育成、ブランディング |
コスト | 広告費(継続的に発生) | 制作・運用費(資産になる) |
コントロール性 | 高い(費用を払えば出稿可能) | 非常に高い(自由に編集・発信可能) |
即効性 | 高い | 低い |
アーンドメディアとは
アーンドメディアとは、第三者による情報発信を通じて、企業の信頼や評判を獲得するメディアを指します。
「Earned」は「獲得する」という意味で、広告費を支払うのではなく、情報の価値によって自然に得られる露出がこれにあたります。
具体的には、ニュースサイトでの記事掲載や、個人のブログやSNSでの口コミ、レビューサイトの評価などが含まれます。
第三者からの客観的な情報であるため信頼性が非常に高い反面、企業側が内容をコントロールするのが難しいという特徴があります。
ニュース記事、テレビ番組での紹介、レビューサイトの評価、個人のSNS投稿やブログ記事など。
オウンドメディアとの違い
アーンドメディアとオウンドメディアの最も大きな違いは、情報の発信者が誰であるかという点です。
アーンドメディアは第三者が発信するため、客観性がありユーザーからの信頼を得やすいという強力なメリットがあります。
しかし、その内容は企業側でコントロールできません。
一方、オウンドメディアは自社が発信するため、伝えたい情報を自由にコントロールできますが、信頼性の面ではアーンドメディアに劣る場合があります。
両者を連携させ、信頼と情報発信のバランスを取ることが重要です。
項目 | アーンドメディア | オウンドメディア |
---|---|---|
情報の発信者 | 第三者(顧客、メディアなど) | 自社 |
信頼性 | 非常に高い | 比較的低い |
コントロール性 | 低い(コントロール不可) | 非常に高い(自由に発信可能) |
コスト | 原則無料(広報活動費など) | 制作・運用費 |
シェアードメディアとは
シェアードメディアとは、主にSNSプラットフォーム上で、ユーザーとのコミュニケーションを通じて情報を共有・拡散していくメディアのことです。
「Shared」が示す通り、企業とユーザー、あるいはユーザー同士でコンテンツが共有される点が最大の特徴です。
代表的なものに、Facebook、X(旧Twitter)、Instagramなどの企業公式アカウントがあります。
「いいね」や「シェア」機能によって情報が爆発的に拡散する可能性を秘めており、ユーザーと双方向のコミュニケーションが取りやすいというメリットがあります。
X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、LINE、TikTokなど。
オウンドメディアとの違い
シェアードメディアとオウンドメディアは、どちらも自社で情報発信を行う点で似ていますが、プラットフォームとコミュニケーションのあり方に違いがあります。
シェアードメディアはSNSという他社のプラットフォームを利用するため、規約変更などの影響を受けやすいですが、拡散力と即時性に優れています。
一方、オウンドメディアは自社で管理するプラットフォームであり、情報の資産化や詳細な情報提供に適しています。
シェアードメディアでユーザーの興味を惹き、オウンドメディアへ誘導するといった連携が効果的です。
項目 | シェアードメディア | オウンドメディア |
---|---|---|
プラットフォーム | 他社(SNSなど) | 自社(公式サイト、ブログなど) |
情報の拡散力 | 非常に高い | 低い |
コミュニケーション | 双方向(対話・交流) | 一方向(情報発信) |
コンテンツの資産性 | 低い(情報が流れやすい) | 高い(ストックされ続ける) |