アーンドメディアのメリット・デメリット!導入する判断基準は?

アーンドメディアのメリット・デメリット!導入する判断基準は?

アーンドメディアは、企業が広告費を支払わずに第三者からの信頼や評判を獲得するメディア戦略として、現代マーケティングで重要性を増しています。第三者による情報発信は強い影響力を持つ反面、コントロールが難しいという特徴があります。本記事では、アーンドメディアの具体的なメリットとデメリット、そして導入判断の基準を明確に解説します。

株式会社エンカラーズは「神奈川を代表する企業100選」に選出された、横浜のデジタルマーケティングカンパニーです。WEB制作、SEOコンサルティング、AI活用支援など、デジタルマーケティングを戦略立案から制作・運用までワンストップでご対応いたします。


目次

アーンドメディアのメリット

アーンドメディアのメリット

アーンドメディアの最大の強みは、客観的な第三者を通じて情報が広まることで生活者からの信頼を獲得しやすい点です。適切に活用すれば、広告費を抑えながら大きな効果を生み出せる可能性があります。主なメリットには、信頼性の向上、低コストでのリーチ拡大、ブランディング効果、SEOへの好影響、そしてUGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出が含まれます。

信頼性・説得力が高い第三者からの情報発信

第三者からの情報発信は、企業自身による宣伝よりも消費者に高い信頼性と説得力をもたらします。

消費者は日々大量の広告情報に触れており、企業からの一方的な宣伝メッセージには警戒心を持つ傾向があります。しかし、報道機関、専門家、インフルエンサー、一般消費者といった第三者からの情報は「真実」に近いものとして受け止められます。

例えば、企業が「当社の製品は素晴らしい」と主張するよりも、利害関係のない第三者が「この製品は価値がある」と評価する方が消費者の購買意思決定に強い影響を与えます。特に高額商品や専門的サービス、BtoB取引では、この信頼性が一層重要になります。

この第三者からの信頼は、お金では購入できない貴重な資産であり、アーンドメディアの最も重要な価値となっています。

低コストで認知度・リーチを拡大できる可能性

アーンドメディアは広告料が発生しないため、低コストで広範囲のターゲット層に情報を届けられる可能性があります。

テレビCMや新聞広告などのペイドメディアは確実な露出を確保できますが、多額の費用がかかります。一方、アーンドメディアは、ニュース価値のある情報であれば、メディアやインフルエンサーが無償で取り上げてくれることがあります。特にSNSでの拡散(バズ)が起きれば、広告では実現できないほどの大規模なリーチを低コストで達成できます。

広報・PR活動には人件費や時間といった間接的なコストは必要ですが、成功した場合の費用対効果は非常に高くなる可能性があります。一つのプレスリリースをきっかけに複数のメディアに取り上げられれば、数千万円相当の広告効果が得られるケースもあります。

ただし、これはあくまで「可能性」であり、質の高い情報発信と戦略的なPR活動が伴ってこそ、低コストでの大きな成果が期待できます。

企業のブランドイメージ向上への貢献

信頼性の高い第三者からのポジティブな言及は、企業のブランドイメージを効果的に向上させる力を持っています。

ブランドイメージとは、消費者が企業やその製品・サービスに対して抱く複合的な印象です。企業自身が広告で理想のイメージを訴求することも重要ですが、客観的な第三者からの評価は、そのイメージをより強固にします。

例えば、権威ある業界誌で技術力が評価されたり、ニュース番組で社会貢献活動が特集されたりすることで、「技術力が高い信頼できる企業」「社会に貢献している企業」といった具体的なポジティブイメージが形成されます。これらは企業自身の発信よりも消費者の心に深く響きます。

アーンドメディアを通じて形成された良好なブランドイメージは、製品選択での優位性だけでなく、人材採用や投資家からの評価向上にも繋がり、長期的な企業価値を高める重要な役割を果たします。

SEOへの間接的な好影響

アーンドメディアの獲得は、SEO(検索エンジン最適化)にも良い影響を与えます。

検索エンジンは、ウェブサイトの品質や信頼性を評価する際、他のサイトからの質の高い被リンク(バックリンク)を重要視しています。質の高い被リンクとは、信頼性のあるニュースサイトや専門ブログなどからのリンクを指します。

アーンドメディアとしてこうしたサイトに掲載されると、自社サイトへのリンクが設置されることが多く、これが質の高い被リンクとなります。その結果、検索エンジンは自社サイトを「価値のあるサイト」と評価し、検索結果での表示順位が向上する可能性が高まります。

ただし、これはあくまでアーンドメディアを獲得した結果として得られる間接的な効果です。SEO目的だけの被リンク獲得はペナルティリスクがあるため、本質的には価値ある情報を提供し、それが自然に評価される流れが重要です。

消費者のリアルな声(UGC)の創出

アーンドメディアは、ユーザー生成コンテンツ(UGC)の創出を促進する力を持っています。

UGCとは、一般のユーザーによって作成されたコンテンツで、SNSでの商品レビュー、ブログでの体験談、レビューサイトへの書き込みなどが含まれます。メディアやインフルエンサーに取り上げられることで製品への注目度が高まり、一般消費者も自分の感想を投稿したくなります。

UGCの最大の価値は、その「本音感」と「共感性」にあります。同じ消費者の立場からの率直な意見は、他の消費者にとって非常に信頼できる情報源となり、特に自分と似た属性のユーザーのレビューは購買意欲に大きく影響します。

アーンドメディアによる自然発生的な話題化は、より本物らしいUGCを生み出すきっかけとなりますが、ネガティブな内容が含まれる可能性もあるため、それらにも真摯に向き合う姿勢が重要です。

アーンドメディアのデメリット・リスク

アーンドメディアのデメリット・リスク

アーンドメディアには多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットやリスクも存在します。最大の課題は、企業側で情報の内容やタイミングをコントロールできない点です。これにより意図しない情報拡散やネガティブな話題での炎上リスクが生じます。また、効果測定が難しく、成果が出るまでに時間がかかる点も考慮が必要です。これらのデメリットを理解し対策を講じることが、アーンドメディアを有効活用する上で不可欠です。

発信される情報内容やタイミングをコントロールできない

アーンドメディアの最大のリスクは、発信される情報の内容やタイミングを企業側でコントロールできない点です。

広告やオウンドメディアであれば、企業は内容やタイミングを完全に管理できますが、アーンドメディアは第三者が主体のため、企業の希望通りにならないことがあります。例えば、企業がアピールしたい機能と記者が興味を持つ点が異なったり、開発秘話など意図していなかった情報が掲載されたりすることがあります。

情報の正確性にも注意が必要です。記者の誤解や確認不足により事実と異なる内容が報道されるリスクもあります。公開タイミングも、他のニュースによって延期されたり、予想外のタイミングで情報が出てしまったりして、マーケティング戦略に狂いが生じる可能性があります。

このコントロール不能性はアーンドメディア活用の前提として理解し、キーメッセージを明確に伝え、誤解を招かないよう丁寧な情報提供を心がけるといったリスク低減の努力が求められます。

ネガティブな情報拡散・炎上のリスク

アーンドメディアは、ポジティブな情報を広める力がある一方で、ネガティブな情報が拡散し「炎上」状態を引き起こすリスクも伴います。

企業の不祥事、従業員の不適切な言動、顧客対応の問題、あるいは単なる誤解やデマが、ニュースメディアやSNSを通じて拡散されることがあります。特にSNSの拡散力は非常に高く、一つのネガティブな投稿から瞬く間に批判が広がるケースもあります。社会的にセンシティブなテーマに関連する企業の言動が批判される例も増えています。

炎上状態になると、ブランドイメージの低下、顧客離れ、株価下落、取引先からの信用失墜など、事業存続に関わる深刻な問題に発展する可能性があります。一度傷ついた評判を回復するには多大な時間と労力がかかります。

このリスクを最小限に抑えるには、問題行動を未然に防ぐ社内体制の強化と、炎上発生時に備えた危機管理体制の準備が不可欠です。SNSモニタリング、緊急連絡網、対応方針の明確化などを事前に整えておく必要があります。

効果測定・費用対効果の算出が難しい

アーンドメディア活動がビジネス目標にどれだけ貢献したかを定量的に測定することは非常に難しい課題があります。

Web広告であれば、インプレッション数、クリック数、コンバージョン数などを計測し、広告費用に対する成果を算出できます。しかし、アーンドメディアでは個々の消費者の行動経路を追跡することが現実的ではありません。

そのため、直接的な成果指標ではなく、メディア掲載件数、推定リーチ数、被リンク獲得数、自社サイト流入数、SNS言及数などの中間指標を用いることが一般的です。また、記事の論調分析や広告換算価値の算出なども行われます。

これらの指標は活動状況の把握に役立ちますが、最終的なビジネス成果との相関を明確に示すことは困難です。そのため、アーンドメディア活動のROIを厳密に算出することが難しく、複数の指標と定性的評価を組み合わせた総合的な判断が必要となります。

成果が出るまでに時間がかかる(即効性が低い)

アーンドメディアは、成果が表れるまでに比較的長い時間がかかる傾向があり、即効性は期待しにくい施策です。

広告は予算投入で短期間に認知度を高めることが可能ですが、アーンドメディアではまず土台作りが必要です。メディア関係者との関係構築には時間がかかり、「取り上げる価値がある」と認められるような魅力的な情報を継続的に提供する必要があります。

プレスリリースを送ってもすぐに記事になるとは限らず、実際に掲載されるまでに数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。特に影響力の大きいメディアに取り上げてもらうには、信頼関係と実績の積み重ねが必要で、年単位の時間がかかることもあります。

この時間軸の長さを理解し、経営層や関連部署の理解を得た上で長期的に取り組む姿勢が不可欠です。四半期ごとの売上目標達成など短期的成果が求められる状況では、アーンドメディアだけでなく、広告など他の施策と組み合わせることも有効です。

獲得のためには継続的な働きかけが必要

アーンドメディアは自然に獲得できるものではなく、企業側からの積極的かつ継続的な働きかけが不可欠です。

メディアやインフルエンサーが自社情報を取り上げるのを待つだけでは成果は得られません。ニュース価値のある情報をプレスリリースとして配信し、記者発表会や取材対応を行うなど、能動的なアプローチが必要です。

日頃からメディア関係者やインフルエンサーとのコミュニケーションを取り、良好な関係を構築・維持することも欠かせません。また、「取り上げたい」と思わせる魅力的な製品やサービス、独自の取り組みを生み出し続ける企業努力も重要です。

これらの広報・PR活動には専門知識とスキル、そして多大な時間と労力が必要です。多くの場合、専任の担当者やチームを配置し、継続的にリソースを投入することが求められます。一度の成功で満足せず、常に新しい情報を発信し関係性を維持・強化していく地道な努力が、アーンドメディアを安定的に獲得する鍵となります。

参考:アーンドメディアにおけるインフルエンサーの役割と活用方法

アーンドメディア導入を判断する3つの基準

アーンドメディア導入を判断する3つの基準

アーンドメディアには大きなメリットがある一方で、無視できないデメリットやリスクも存在します。自社での導入を判断するためには、「発信する価値のある情報の有無」「リスク管理体制」「中長期的視点」という3つの重要な基準を検討する必要があります。闇雲に始めるのではなく、自社の状況を冷静に分析し、戦略的に取り組むことが成功への鍵となります。

発信する価値のある情報(ネタ)を持っているか?

アーンドメディア獲得の絶対条件は、第三者が「面白い」「他の人に伝えたい」「社会的に意義がある」と感じる価値ある情報を持っているかという点です。

メディア関係者は日々大量の情報に接しており、ありふれた情報や単なる企業宣伝には関心を示しません。彼らの注目を集めるには、新規性、独自性、社会性、意外性、人間味といった要素を含む「ネタ」が必要です。

自社の状況を客観的に見つめ直してみましょう。革新的な技術や画期的な製品はあるか?業界の常識を覆すビジネスモデルか?感動や共感を呼ぶエピソードはあるか?興味深い調査データや独自の分析結果はあるか?社会貢献活動や環境問題への取り組みはどうか?

「ネタ」を見つけるには、社内の様々な部署へのヒアリング、顧客の声の分析、社会トレンドの注視が有効です。見つけた「ネタ」も、ターゲットメディアの読者層や関心に合わせた切り口の工夫が必要です。

現時点で魅力的な「ネタ」がない場合は、アーンドメディア戦略に取り組む前に、まず製品開発や事業活動そのものを見直し、発信価値のある「中身」を充実させることが先決かもしれません。

リスク管理・対応体制を構築できるか?

アーンドメディアには情報コントロール不能による意図しない拡散や炎上リスクが伴います。これらのリスクに備え、迅速かつ適切に対応できる体制構築が重要な判断基準となります。

まず、平時から自社に関するメディア報道やSNSでの言及を継続的に監視する仕組みがあるでしょうか?専用ツールの導入や担当者の配置など、ネガティブ情報を早期発見できる体制が必要です。

次に、従業員向けのソーシャルメディアガイドラインを策定し、不用意な発言による炎上リスクを低減するとともに、全社的な情報発信リテラシーを高める教育が行われているでしょうか?

さらに、万一の危機に備えるクライシスコミュニケーションプランが具体的に策定されているでしょうか?このプランには、対応チームの役割分担、緊急連絡網、情報集約手順、対外的な情報公開基準、メディア対応窓口などを含める必要があります。

これらの体制が整っていない状況でアーンドメディア戦略を推進すると、リスク発生時に適切対応ができず、事態を悪化させる可能性があります。事前にリスクを洗い出し、備えを万全にしておくことが不可欠です。

中長期的な視点で取り組めるか?

アーンドメディアは短期間で成果が出ることは稀であり、関係構築や情報発信の地道な努力を年単位で続ける必要があります。短期的成果に一喜一憂せず、中長期的視点で取り組む覚悟と組織的な理解・体制があるかが重要な判断基準です。

アーンドメディア戦略開始後も、最初の数ヶ月から1年程度は目立った成果が見られないかもしれません。この「成果が出ない期間」にもリソースを継続投入できるでしょうか?経営層や関連部署は、短期的ROIが見えなくても、アーンドメディアがもたらす長期的な無形価値を理解し支援してくれるでしょうか?

社内で短期的業績達成へのプレッシャーが強かったり、予算が単年度で厳しく見直されたりする環境では、アーンドメディア戦略が途中で頓挫する可能性があります。

中長期的取り組みを成功させるには、短期的活動目標と中長期的成果目標を分けて設定し、段階的に成果を可視化することが関係者のモチベーション維持に繋がります。また、経営層にアーンドメディアの戦略的重要性と長期的価値を粘り強く説明し、コミットメントを得ることも不可欠です。

組織全体でアーンドメディアの重要性を共有し、長期的視点での活動を支援する文化を醸成することが、持続的成功への道筋となります。

まとめ

アーンドメディアは、第三者からの信頼性の高い情報発信を通じて、低コストでのリーチ拡大やブランドイメージ向上といった大きなメリットをもたらす可能性があります。しかし同時に、情報コントロール不能性や炎上リスク、効果測定の難しさ、即効性の低さといったデメリットも存在します。導入検討時には「発信する価値のある情報」「リスク管理体制」「中長期的視点」という判断基準に照らして自社状況を分析し、他のメディア戦略と連携させながら戦略的に活用することが成功への鍵となります。

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